自分ばかりが損をしていると感じる時の心理と現実的対処法

自分ばっかり 損  人生を変える思考法
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思考のバイアスから生まれるのが「自分ばかりが損」という状況

コストがかかったと感じているから「自分ばかりが損をする」と思う

経済学の概念に、サンクコスト(Sunk Cost)の錯誤という言葉があります。サンクコストとは、無駄に捨てることになった費用という意味です。

 

人は、これだけつぎ込んだ、と思うと、それが費用であっても、親切であっても、見返りに相当する分を受け取らないと、後には引けないという性質があります。無償の愛でさえ、愛することで自分が幸せな気持ちになるという見返りを得ている事を考えると、真に無償で尽くすということはなく、少なくともそこには自分が幸せな気分になるという見返りがあることが分かります。

 

日常では、100円のジュースを200円で買わない人も、旅行でホテルのビーチでくつろいでいる時には、700円もするオレンジジュースを頼むことがあるかも知れません。これは、時と場合によって、人は、かかるだろうと予想するコストや、それだけ払って得られる満足度(ジュースを飲んで喉の乾きが癒やされること)を変化させているという事です。

 

人が、「自分ばかり」と感じる時には、相手に対して、それだけ自分が必要以上にコストをかけたと考えています。一生懸命相手のために時間を費やした場合(時給なら2000円はもらえたと感じている)や、手料理を作ってあげたり、実際にお金を使ってプレゼントをしてあげたりすると、少なくとも、自分が費やした分の費用は、何らかの形(労働や、感謝の気持ちなど)で返ってくると信じています。

 

しかし、それが例えば自分が選んで買った物でさえ、自分の期待に応えてくれないことを、私たちは何度も経験しているはずです。

買ったものの、使えなかったものは人生を通じて大量にある

靴を買ったものの、しばらくしたら全く履かなくなったという経験をした人は多いのではないでしょうか。

ヒールのある靴や、革靴、靴底がプラスチックの物などは、履いて一日もしないうちに痛みが激しくなり、もう一度は試してみるものの、そのまま棚に終われるか、購入した時とは比べものにならないほど安く手放すかしたことがあるでしょう。

 

この時、靴を買うのに使った金額が大きい人や、自分の使えるお金の中から割合的に大きいお金を使った人ほど、諦めずに靴を履いてみようとしたり、売ろうにも売れずに棚にしまい続けていたりします。

 

反対に、安く買って寝かせておいたワインが、今では高値で取引されていると知れば、それを飲む時には、自分が買った値段よりもずっと高い満足感を得ながらワインを飲むことができます。

例え1000円で仕入れたものでも、1万円で売られていると知れば、1万円のワインだなと感じながら飲むはずです。

人間はバイアスを利用して見たいものしか見ないようにできている

人間は、どんな時も常にバイアスとともに生きています。見たいものを、見たいように見るように、バイアスをつくり出すのです。

 

ギャンブルをしたり、株やFXなどの取引をしている時、人は、根拠のない自信を抱くことがあります。自分の考えに裏付けがなくても、これは絶対にいけると思い込んで大損してしまうのです。

 

これは、恋愛についても同じことが言えます。相手に欠点があるとして、それが二人の関係を維持するのに致命的だとしても、恋愛にどっぷりと浸かっていると、そうした致命的な欠点すら見えなくなります。

 

これが、インフラの点検作業や、仕事の場で起こると、大惨事を引き起こすこともあります。正常バイアスと呼ばれる、いつもと同じに違いないという思い込みや、確証バイアスと呼ばれる、自分は間違っていないという根拠に乏しい自信は、大事故を引き起こすことすらあるのです。

 

「自分ばっかり」と思ってしまう人の中ににも、バイアスが大きくはたらいている可能性があります。

 

かいがいしくお世話をしてくれる人が好きだと言われて、張り切って相手のお世話をしていたら、自分のことをないがしろにされたという経験をした人もいるかも知れません。

 

しかし、ここで相手を責めることはできないのです。

例えば、契約書などを交わして、金銭的な契約を結んでいるなら話は別ですが、(この場合は、法的に訴える必要があります)そうでない限り、誰かが匂わせた言葉や、誰かが願望的に言った言葉には、責任能力はありません

 

相手は、自分の願望を伝えはしたかもしれませんが、それをやってくれと強制してはいないのです。

 

相手が望んでいたことでも、それをやってあげたからと、見返りを求めてしまうと、そこでサンクコストの悲劇が起こります。

 

自分はこれだけ費やしたのに、という負の感情が生まれるのです。

相手にどうなって欲しいのか、相手は変われるのかを具体的に考えてみる

親でも、子供でも、恋人でも、友人でも、職場の人でも、自分が尽くしていると感じているのに、それ相応の反応が返ってこない相手がいる場合には、まずは自分が具体的に、相手に何を求めているのかを考えてみましょう。

 

優しくしてもらいたい、話をちゃんと聞いて欲しい、褒め言葉が欲しい、感謝して欲しい、冷たい言葉を使わないで欲しい、尊重して欲しい。大まかに言えば、こうした言葉が浮かぶかも知れません。

 

しかし具体的には、どうしてもらうと、それらを感じることができるでしょうか。

 

料理を作ってくれたら、洋服を買ってくれたら、毎日10分は話をただ聞いて慰めてくれたら、掃除をしてくれたら、周囲の人に対して、自分を褒める言葉を言ってくれたら・・・・・・しかしこれらのことは、実現可能でしょうか。

 

自分ばっかり、と思う人は、具体的に「掃除をしておいて」と頼んだり、「あれだけやったのだから、この服を買って」とは言わないものです。

 

黙っていても気が付いて、行動して欲しいと思っています。

 

しかしこれは、相手の立場に立ってみると不可能な事に気付きます。

 

相手は、全く違う瞳で、全く違う物の見方をしているからです。

自分がしていると思うことを紙に書き出すと、バイアスが取れてくる

自分はこんなにしている、と思うことがある場合には、その全てを紙に書き出してみてください。

紙に書き出せないということは、それだけバイアスがかかった考え方をしている可能性があります。

 

案外、紙に書き出してみると、自分が考えていたより、自分は何もしていないと気付いたり、相手が望んでいないことを押しつけていただけかも知れないと気付くことがあります。

 

しかし、書きだして見たら、やはり、自分ばかりが損をしていると確信したとします。

 

そうしたら、自分がなぜ損をしてまでそんなことをし続けたのかを考えて、それをまた、紙に書きます。

 

例えば、それは、相手と結婚したかったからかも知れませんし、相手にかまって欲しかったからかも知れませんし、認められて昇進したかったからかもしれません。

 

自分が損をしてまでしようとしていたことを直視するのは、辛いことかも知れません。自分が失ったと思う時間や、労力といったコストを直視するのは、家計簿を付けるのが辛いことや、資産運用をして失ったお金を勘定する辛さを考えれば、分かることです。

 

しかし、自分が、損をしてまで努力したことが、損をしたかいがあったかを判断するためにも、この作業はとても大切なことになります。

 

そこで、損をしてまで相手に尽くした目的が、このままでは、叶いそうもないと気付くことができれば、それはラッキーなことです。

 

目的が叶いそうもない理由は、さまざまでしょう。

 

人によっては、それが、頑張る方向性が間違っているからかも知れないし、勉強不足だからかも知れません。また、相手が自分に対してそれほど感心がなさそうで、本当にただただ無駄な努力になっているということもあるでしょう。

 

ただ、ここで、方向転換ができるチャンスが来たというのは、ラッキーなことなのです。

 

自分が向かうべき方向が間違っていたと知ったら、すぐにでも、やり方を変えましょう。

相手を動かせるかどうか冷静に判断する

人は、かけた労力や時間が長いほど、失うことを怖れます。それが例え、それほど手に入れて満足しているものでなくても、それを手に入れるためにかけた時間や労力が長いと、失うのを躊躇するのです。

 

ただ、自分が手にしている状況や環境が、自分を不満にさせているのであれば、冷静に考え直してみましょう。

 

注いだ労力+これから注ぐ労力 < 自分が別のものを選ぶことで手にする満足感

 

この不等式を満たす状況を探し出して、すぐにでも、未来の自分に投資するための道筋へと方向を変えていきましょう。

 

相手が、自分に対して何かをしてくれる見込みがない、相手が変わる様子もないのに労力を注ぎ続けることは無駄でしかありません。

それを続けても、確実に未来に手に出来る満足感は少ないか、むしろマイナスです。

 

それならば、注ぐ労力が自分に適切に返ってくる方向に対して頑張ることで、確実に満足できる未来を切り開くことができます。

 

相手を変えようとする人は、まずは、自分に変わるべきところはないのかを考えてみましょう。自分を変える方が、相手を変えるよりもずっと楽です。自分の考え方、自分の受け止め方が変われば、自分ばかりという気持ちは消え、自分は自分、相手は相手と思えるようになっていきます。

 

それでも相手を変えたい場合には、全てを具体的に指示するようにしましょう。

結婚を〇月〇日までにして欲しい。掃除は一日おきに交替する。何かやってもらったらありがとうと必ず言うなどのルールを決定することで、状況を変えるか、それを守らない相手と自分は上手くいかない事に気付けます。

 

環境が合わなければ、合う方へ変える。自分のしたいようにする。そのためには、自分の目に、耳に、知らないうちにかかっているバイアスを取り除く努力をしましょう。

費用は、払った時点でその重みを忘れるのが一番良い

高級な真っ白い洋服を買ったとします。買う直前までは、それが本当に欲しいのか、必要なのかを悩む必要はありますが、既に買ってしまって、さらに、返品ができないとすれば、その時点以降は服にかけたお金についてあれこれ悩んではいけません。

 

例えば、間違って色物と洗濯して、白い服がまだらな赤色になったとしても、どこかに引っかけて、着られないような大きな穴が空いたとしても、それを後悔することには、「今後は気を付けよう」という学び以外に、何の効果もありません。

 

なぜなら、お金を払い終わった時点で、その服がどんな運命を辿ろうと、かかったコストに影響はないからです。

 

あなたが労力を注いでも、何も返ってこなかった場合、一番コストを掛けずに済む方法は、気が付いた時点で、労力を注ぐことを止めることです。

 

くよくよと悩み続けたり、相手を変えようと努力することは、絶対にシミが取れない服の染み抜きを、お金をかけてし続けたり、サイズの合わない靴をはき続けて足を歪ませるようなものです。

 

自分ばっかりと思う人は、バイアスを取り除いてもなお自分が損をしていると感じた時点で、その無駄な努力を止めるようにしましょう。

 

勝手にわき起こる怒りや、無駄な口げんかなどの場合も、サンクコストの存在に気付くことが役に立ちます。喧嘩しながら、「ここにこれだけの労力を注ぐのは無駄だな」と思えば、冷静に物事を伝えるだけで留めることができます。

 

自分ばかり、と考える時、人はストレスを感じます。ストレスは、ホルモンの作用によって自分の身体を痛めつけますから、この思考は、心にも身体にもマイナスになります。

 

初めのうちは難しくても、思考は訓練をすることで自分の意図する方へと変えることができます。

バイアスを取り除いて、自分が一番満足できる道を歩けるように、「自分ばかり」が損をしない方へ方向を変えて生きていきましょう。

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