年収・時給上げる証券外務員は金融機関で働きたい人の必須資格
公的 | 二種類(難易度別) | 目安勉強時間 | 1日2時間勉強した場合 | 難易度 |
第二種証券外務員 | 40時間程度 | 20日程度 | C | |
第一種証券外務員 | 100時間程度 | 50日程度 | D |
証券外務員は株式や証券などの金融商品の販売・勧誘を行うための資格
証券外務員資格は、日本証券業協会が行う、金融機関で働いている日本証券業協会の会員になっている人が、外務員として登録を行うに値するだけの金融商品や経済に関する知識と良識があるかを確かめるための試験でした。
現在では、資格試験を代行しているプロメトリックを通じて、一般の人でも試験を受けられるようになっていますが、資格を取得した後には、金融機関等に就職し、就職先から日本証券業協会に外務員として登録を行わなければ、外務員として金融商品の販売を行うことはできません。
有資格者向けの求人が多く、需要の高い、使える資格の1つです。
金融機関で働く場合、株式・債権などの有価証券の販売等を行いますが、金融機関で扱う一般的な商品や、法令、経済の理解を問うのが二種証券外務員資格試験です。
さらに専門的な知識の理解を問い、合格者に対して、経済に対する知識がある程度なければ理解の難しい金融派生商品であるデリバティブの販売や、リスクの高い信用取引を扱うことを許可するのが、一種証券外務員資格試験です。
資格試験は、一種から受験することもできること、受験日が固定ではなく、近隣の会場で空室があれば好きな時(原則月~金曜)に受験できることから、最初から一種証券外務員資格試験を目指すことも十分可能です。
証券外務員の主な就職先
金融機関の営業の仕事、コールセンターの仕事、運用管理の仕事などを行うことができます。銀行、証券会社、保険会社などで仕事をしたいと考えている人は、この資格を取得することで就職や転職に有利になります。
営業の仕事や、運用に関わる仕事は正社員の募集が多く、一種証券外務員資格を取得して、その後は証券アナリストの取得を目指すと、運用や販売の仕事で高年収を狙うことができます。販売実績や運用実績においても給料が変化しますが、正社員として勉強しながら仕事をしたい場合で、なるべく早く就職したいと考える場合には、一種証券外務員の資格とともに、比較的新しい証券会社等に就職するのが良いでしょう。
派遣社員として働く場合にも、時給アップの資格として使えるのが証券外務員資格です。必ずしも一種を取得する必要はなく、二種証券外務員資格を取得することで、コールセンターや窓口の販売員として派遣で高時給で働くことができます。
銀行や証券会社のある場所限定にはなりますが、全国的に就職先があることも魅力の1つです。
証券外務員資格試験の受験資格と日程と費用のまとめ
証券外務員資格試験は、二種と一種があり、一種の方が難易度が高くなっています。知識のない状態から勉強した場合で、二種で40時間程度、一種で100時間程度勉強すれば合格できると言われています。かけられる時間や、何を目的に資格を利用するかによって、一種・二種のどちらを選ぶかが変わってきますので、下記には両方を記載します。
勉強時間に余裕のある人は、一種からの受験をおすすめします。
二種証券外務員資格試験
誰でも受験できます。
パソコン試験:70問(300点満点)
○×問題50問×2点=100点
五肢選択問題20問×10点=200点
(5つの選択肢から正解を1つまたは2つ選ぶ)
〔法令・諸規則〕
・金融商品取引法及び関係法令
・金融商品の勧誘・販売に関係する法律
・協会定款・諸規則
・取引所定款・諸規則
〔商品業務〕
・株式業務
・債券業務
・投資信託及び投資法人に関する業務
・付随業務
〔関連科目〕
・証券市場の基礎知識
・株式会社法概論
・経済・金融・財政の常識
・財務諸表と企業分析
・証券税制
・セールス業務
①上記出題科目についての基礎的知識
(二種外務員の職務の範囲外である信用取引及びデリバティブ取引についても、その基礎的知識について「株式業務」、「債券業務」等各関連の科目に含めて出題します。)
②コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項
(注)外務員資格試験の問題は、直近の法令・諸規則に基づいた内容で出題されます。
一種証券外務員資格試験
誰でも受験できます。
パソコン試験:100問(440点満点)
〇×方式 70問×2点=140点
選択方式 30問×10点(五肢択2は各5点)=300点
〔法令・諸規則〕
・金融商品取引法及び関係法令
・金融商品の勧誘・販売に関係する法律
・協会定款・諸規則
・取引所定款・諸規則
〔商品業務〕
・株式業務
・債券業務
・投資信託及び投資法人に関する業務
・付随業務
・デリバティブ取引
〔関連科目〕
・証券市場の基礎知識
・株式会社法概論
・経済・金融・財政の常識
・財務諸表と企業分析
・証券税制
・セールス業務
①上記出題科目についての実務的、専門的知識
②コンプライアンスに関する基本的かつ重要な事項
(注)外務員資格試験の問題は、直近の法令・諸規則に基づいた内容で出題されます。
証券外務員資格試験の試験内容についての詳細
指定の会場のパソコンでマウスを操作しながら受験することになります。
二種では基礎的な内容が、一種ではより専門性の高い内容が扱われます。
より詳しい試験で問われる内容についてはこちらを確認してください。
証券外務員資格試験に合格するための学校選び
証券外務員資格試験は、独学でも十分に合格することができると言われている試験ですが、大手の予備校や資格取得を応援するアプリなどで学習を行うこともできます。
TACでは、4万円程度で講座を開講しています。シグマインベストメントスクールでは、講義の費用は1万円程度です。
通信講座では、アプリ学習で有名なスタディングの講座もあります。通勤時間を活用して資格を取得したいと考える場合には、スタディングを利用すると良いでしょう。
二種・一種外務員セット | 二種外務員コース | 一種外務員コース |
14,780円 | 8,280円 | 9,280円 |
証券外務員試験を受験する前に、FP資格を取得している、金融商品の勉強をしたことがある場合は、参考書を読んでから予備校を利用するか決めると良いでしょう。
証券外務員資格試験に独学で合格するためのテキスト
人気のテキストは、日本経済新聞出版社のテキストです。
金融関係の勉強をしたことがない方は、二種の勉強からはじめましょう。
一種から勉強したい場合には、こちらを利用しましょう。
他にも、TAC出版などが参考書を出しています。見やすさや分かりやすさは人によって違いますので、自分に合った参考書で勉強するようにしましょう。
証券外務員資格試験の合格率の推移
証券外務員資格試験の合格率は、一種、二種ともに65%程度で推移しています。
試験は70%以上を得点すれば必ず合格する絶対試験です。
その場で合否が分かりますが、次の試験を受験するまでには30日以上の期間を空ける必要があります。
受験日を自由に選べますので、十分に勉強して、7割は確実に得点できる自信が付いてから受験すると良いでしょう。
証券外務員の資格への求人と年収の目安
証券外務員資格で正社員として就職を希望する場合には、一種の資格を取得しましょう。
この場合、年収は300万円~600万円程度の募集が多くなります。個人的な投資の経験や、運用歴、金融商品に対する理解や熱意などによって年収は異なってきます。
人によっては、700万円、800万円という年収で就職することも可能ですが、それには、個人での投資経験や実績が問われるでしょう。
二種・一種証券外務員資格の資格取得者向けの派遣の求人の場合、東京都心での時給は1,700~1,800円程度です。
その他の都市でも、時給は1,400~と、高い傾向にあります。
販売員として商品を販売する、商品の説明をするのがメインの仕事になります。接客が好きであることや、コールセンターでの対応が好きであること、営業力や、対応力なども問われる仕事です。
人と接する金融関係の仕事がしたい人には向いている資格と言えるでしょう。
ダブルライセンス・トリプルライセンスを目指すなら
証券業界で、運用の世界のプロを目指す場合には、証券アナリストの資格を検討してみましょう。また、証券アナリストの米国版の資格で、世界的に認められているCFAの資格を目指してみると、国外の日系金融機関で働く道も拓けてきます。
証券外務員は、金融機関で働く人のための必須資格であり、入り口の資格です。
金融機関で働きながら、プロのトレーダーや、アナリスト、エコノミスト、コンサルティングができる人材になりたいという場合には、より上位の資格を目指しましょう。