危険物取扱者乙種第4類(乙4)は全都道府県での就職に強い国家資格
国家 | 目安勉強時間 | 1日1時間勉強した場合 | 難易度 |
30時間 | 30日 | D |
危険物取扱者乙種第4類の資格は需要が高く人気の使える資格
一定数量以上の危険物を貯蔵している施設や取り扱う化学工場、ガソリンスタンド、石油貯蔵タンク、タンクローリー等の施設には、危険物を取り扱うために必ず危険物取扱者を置くことが義務付けられています。
危険物取扱者の資格は、難易度の高い順に甲種>乙種>丙種と資格が3つに分かれています。
丙種は最も簡単な資格ですが、扱える危険物の範囲が狭いため、ほとんどの場合で企業が求める危険物取扱者の資格は乙種以上となります。
最上位の資格である甲種資格を取得すれば、全ての危険物が扱えるようになります。
3つの資格のうち、真ん中に位置する乙種は、さらに細かく6つの資格に分かれていて、第1類~第6類まで、扱える危険物の種類毎に資格試験を6つに分ける事で、受験し易くなっています。
乙種の中でも取り扱える種類の危険物が多く、就職活動で広く使える資格であることから、危険物取扱者の中でも最も受験者数が多い人気の資格は乙4と言われる乙種第4類です。
乙種第4類で取り扱える危険物は以下の通りです。
第4類 | ガソリン、アルコール類、灯油、軽油、重油、動植物油類などの引火性液体 |
ガソリンやアルコール類、灯油、軽油、重油を扱う多くの企業で危険物取扱者の資格保有者を必要としているため、危険物取扱者の資格で就職を考えている人は、この資格の取得から始めると良いでしょう。
危険物取扱者乙種第4類の資格が生かせる就職先
ガソリンスタンドで使用する
最もメジャーな資格の利用先はガソリンスタンドです。危険物に該当するガソリン、軽油、灯油などを取り扱うため、乙種資格を取得していることで優遇されます。
運送業で使用する
危険物のマークが付いたタンクローリーが道路を走っているのを見たことがある人は多いと思いますが、危険物を移送するには、危険物取扱者の資格取得が必要なため、運送業に就きたいと考えている人にとって、危険物取扱者の資格は大いに生かせる資格です。
倉庫やビルなどの施設管理のために使用する
倉庫やビルなどの施設管理のために危険物取扱者の資格が求められる場合があります。企業によっては、倉庫で危険物を保管している場合や、危険物を取り扱う場合があるため、管理者の求人には乙4の資格取得者歓迎と記されていることがあります。
その他化学系企業等に勤める
危険物を取り扱う企業では、危険物取扱者の有資格者の求人を出していることがあります。最終的には甲種を取得して、化学系企業で働く道を切り開くのも良いでしょう。
危険物保安監督者を目指す
乙種、甲種の資格を取得して、6ヶ月以上の実務経験を積む事で、危険物保安監督者を目指すことができます。危険物を取り扱う該当施設では、施設毎に危険物保安監督者の設置義務があるため、企業はなるべく多くの危険物取扱者の資格保有者を求めています。
6ヶ月以上の実務経験者に対して施設の所有者が選任を行い、市町村に届け出ることで危険物保安監督者として働けるようになります。(乙種で危険物保安監督者になる場合には、資格で取り扱える危険物のみを取り扱う施設で働くことになります)
甲種危険物取扱者を目指すには
乙種と丙種については受験資格はありませんが、全ての危険物の取扱が許可される甲種資格については、受験資格が存在します。そのため、以下の要件に当てはまらない人で、危険物取扱者の資格を使用したいと考えている人は、乙4から取り始めるのがベストと言えます。
甲種受験の条件大学で化学系学科に所属して卒業している
大学で指定の化学系科目を15単位以上習得しているなど
上記の条件に当てはまらない場合に甲種受験をするには、乙種の資格を1つ取得して2年以上の実務経験を積むか、乙種の指定科目①~④を取得すると、受験資格を得ることができます。
① 第1類又は第6類 | ② 第2類又は第4類 |
③ 第3類 | ④ 第5類 |
危険物取扱者の資格取得は、化学系知識を取得する上でも有益です。順番に資格を取得する事で、上位資格である甲種まで取得することが可能なため、取得しやすい資格でもあります。
資格取得後、資格を仕事で使用する場合には講習の受講を忘れないようにしよう
危険物取扱業務に従事している間は、最初の年と、その後は3年毎に保安講習を受ける事が義務付けられています。講習があることを忘れないようにしましょう。
危険物取扱者乙種第4類の受験資格と日程と費用のまとめ
危険物取扱者の試験は、どの都道府県で受験しても大丈夫です。試験日程などに合わせて、受験場所を決定しましょう。
危険物取扱者乙種第4類の試験内容の詳細
試験範囲内で良く問われる内容には、以下のようなものがあります。
法令関係:保安講習、予防規程、定期点検、保安距離、給油取扱所基準、消火設備、運搬基準、移送基準、義務違反への措置
基礎物理学・性質・火災予防・消火:指定数量の計算、物質三体、静電気、物理変化、化学変化、有機化合物、燃焼原理、消火三要素、消火設備
危険物取扱者乙種第4類に合格するための学校・テキスト選び
危険物取扱者乙種第4類(乙4)は、独学でも十分合格可能です。自分に合ったテキストを購入して勉強しましょう。
参考書と過去問題集を合わせて購入することで、十分に対応できるとされています。(※テキストには相性がありますので、必ず中身を確認してから購入しましょう)
ただし、一定期間内に確実に合格したい、勉強のスケジュールを自分で立てるのが苦手といった方や、質問できる環境が欲しい場合には、通信教育を利用すると良いでしょう。
ユーキャン | SAT | フォーサイト | スタディング | |
15,400円 | 39,000円 | 7,800円~19,800円 | 9,800円 | 4,500円 |
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ヒューマンアカデミーとJTEXは提携講座のため同じ内容です。ヒューマンアカデミー、JTEXよりユーキャンの価格が高いのは、ユーキャンの講座には丙種からの内容が含まれるためです。全く分からないところから、1から勉強したいという場合にはユーキャンを利用することを考えてみると良いでしょう。
SATは、アプリで学習するタイプのため、安く講座を受けることができます。移動中などに携帯などで学習したい人は、テキスト学習ではなく、アプリで学習するスタイルを取ると良いでしょう。
一般教育給付金を利用することで、ハローワークから学習の支援手当を受けられる場合があります。対象の講座に当てはまる場合には、申請を行い学費負担を減らしましょう。
危険物取扱者乙種第4類の合格率は毎年30~38%程度で推移している
合格率は30~38%程度で推移しています。試験科目ごとの成績が、それぞれ60%以上の場合に合格となる絶対試験のため、しっかりと勉強して臨めば十分に合格可能です。
乙4については、受験希望者数が多いため、合格率がその他の乙種の資格と比べて低くなっています。ただ、1度で合格できる人も多い資格ですので、合格率を気にするよりは、常に7割程度以上の点が取れるように問題に取り組み、余裕を持って合格できるように準備しましょう。
危険物取扱者乙種第4類の資格への求人と年収の目安
危険物取扱者の資格の魅力は、全国区で仕事を探せることです。
年収は、250万~500万円程度ですが、全国規模で求人があるため、地域によって年収が違います。また、危険物保安監督者となること、甲種資格を取得して活用することで、さらなる年収アップが狙えます。
時給で働く場合には、1,300円~1,450円程度までの求人が多くなります。(アルバイトの場合には最低時給程度である場合も多いです)
ガソリンスタンドでアルバイトしながら、危険物取扱の資格を生かせる施設への就職を考えている方や、家業で資格が必要な方、化学系の内容を学ぶ高校・大学で資格取得に興味のある方は、使える資格の一つとして受験してみると良いでしょう。
乙4の資格を経て、甲種資格や、電気系資格を取得するなどすると、監督者や技術者として企業が求める人材として高く評価されるようになります。
化学系知識を活用する仕事の多くは、危険を伴う仕事です。責任感が強く、周囲の人に必要な物資やサービスを届けながらも、危機管理に優れた人材として活躍したいと考える人に向いている資格です。
ダブルライセンス・トリプルライセンスを目指すなら電気系資格も取得しよう
危険物取扱者の上位資格である甲種試験を受験して取得することで、需要が高まり、時給や年収も高くなります。
また、第二種電気工事士の資格を取得すると、倉庫やビルなどの施設管理の仕事で有利に働きます。
さらに上位の電気系資格として、第三種電気主任技術者試験の取得を目指すと、高年収で働けるようになるでしょう。
危険物取扱者乙種第4類は、生活の上でも危険物や消化に関する知識がとても重要で役立つため、知識習得のために受験する人も多い資格です。
全国規模で受験ができ、実施回数も多い資格ですので、興味のある人は挑戦してみると良いでしょう。