建築・不動産関係の就職に有利な国家資格【建築士2級・1級】

建築士 資格 詳細資格
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1級・2級建築士の資格はさまざまな仕事に生かせる国家資格

国家基本学修年数工業高校・通信専門・夜間職業訓練大学受験難易度
2年~4年2級まで1・2級1・2級低~高

※大学・大学院等は、選ぶ学校によって難易度が大きく異なります。

就職や転職に有利な建築士の資格は不動産・建築系の仕事の全てに有効

建築士には、設計を行い戸建て住宅を建てる、または1級建築士として世に名を知られ、街のシンボルとなる巨大建造物を建設するといったイメージがありますが、建築士の資格を通じて行える仕事は、設計業務に限りません。

 

建築士の資格を生かして、不動産関係の営業の仕事であるリフォームや建て替え提案を行う業務や、建築現場で監督を行う仕事、建築後の住宅診断の審査の仕事を行うこともできますし、不動産に関連した資格である、宅地建物取引士を取得して売買仲介や賃貸仲介の仕事を行う、または不動産鑑定士の資格を取得して鑑定や不動産の証券化の仕事を行うこともできます。

 

登記の資格である司法書士土地家屋調査士とも相性のよい建築士の資格は、設計だけでなく、不動産や建物、インフラに関わる不動産関連分野であれば生かす方法がたくさんあります。

 

不動産の営業の仕事や施工の仕事をしていた人が、リフォーム会社や施工代理店などの経営者となるために専門学校で建築士の勉強をして、資格取得をすることもあり、建築士は、独立を考えている人から就職を考える人まで、多くの人に有益な資格の1つです。

 

CAD製図に特化して仕事を行う人の中にも、建築士の資格を取得している人もいて、派遣や契約といった形で時給で働きたい人も建築士の資格を生かした就職先を見つけられるでしょう。

 

インテリアデザイナーや庭や空間の設計を行うデザイナーなどを目指す人も、基本構造としての建築の知識を身につけるために建築士を取得する場合もあり、建築士という資格には、幅広い可能性が詰まっています。

2級建築士取得ですぐに受験できる目指しやすくなった1級建築士

建築士の資格として広く知られている資格には、一般的な戸建て住宅を建設する、または管理監督する仕事をするための2級建築士と、高層ビルから巨大なドームまで、どんな建物でも設計することができる1級建築士があります。

 

建築士には、神社仏閣などの木造建築に特化した木造建築士の資格もありますが、木造建築士が設計できる範囲は、2級以上の建築士資格に含まれているため、建築士を目指す多くの人は、2級、または1級建築士の資格を選ぶことがほとんどです。

 

建築士を受験するには、専門教育を受けて指定の単位を取得する必要があり、2級建築士、1級建築士それぞれについて、満たすべきカリキュラムがあります。大学の工学部や建築系の学科の多くは建築士のカリキュラムを満たすように授業が行われますが、1級建築士まで2年間で受験資格を得られる通学型の専門学校もあります。また、2級建築士を目指場合には、通信制の専門学校を選択することもできます。また、早くに建築士になることを決定している人であれば、工業高校で専門的な勉強を行い、卒業してすぐの2級建築士の試験に合格することで建築士を目指す方法もあります。

 

2級建築士を取得できれば、その後すぐに1級建築士の資格が受験できるため、通信制を利用した場合でも比較的短い期間で1級建築士まで目指すことも可能です。

 

ただし、建築士として登録されるには、1級建築士に合格してから、または合格する前の期間も会わせて2年間~4年間の実務経験が必要です。2級建築士の場合には、工業高校を除くほとんどの学校で資格取得後すぐに建築士として認定されますが、1級建築士の場合には大学卒であれば2年、専門卒であれば4年といった、学校の種別によって卒業後に必要な実務経験の年数が異なっています。(学校の種類による必要実務年数と、建築士のカリキュラムのある学校はこちらから検索して下さい。1級建築士用 2級建築士用

1級建築士になるための学校選びと、資格試験受験と認定のためのルート

建築士を目指して勉強し、最終的に1級建築士になるまでには以下のようなルートを通る必要があります。

建築士 ルート 1級 2級

※職業訓練校によっては、2級建築士登録に4年の実務を要するなど、選ぶ学校によって実務期間が長くなる場合があります。

指定のカリキュラムを満たした大学と専門学校のみ、卒業後すぐ1級建築士の受験が可能ですが、それ以外の場合は2級建築士を取得してから、1級建築士を目指すことになります。資格認定のための実務経験は、免許の登録要件です。資格試験は早い段階で終了したとしても、建築士として認定されるには所定の実務経験年数が必要となります。(資格取得前の実務年数が通算として認められる場合もあります)

 

建築士として認定されるための実務の内容は設計や監督などに限られてはいません。建築の営業や、不動産の研究、雑誌編集なども対象のため、全く建築に無関係な場合は無理ですが、比較的広い範囲の不動産に関わる業務が実務として認められます。(実務認定については、建築技術教育普及センターの実例をご覧下さい

 

建築士を目指すルートはいろいろありますが、学歴を重視する企業に勤めたいと考える場合には有名大学の建築系学部を出る、早く実務経験を積みたい場合には工業高校から建築士を目指す、社会人として働きながら建築士の資格を取りたいから専門学校の夜間に通うというように、目的や自分が建築士を目指した年齢、状況などに合わせて学校を選ぶと良いでしょう。

1級建築士・2級建築士の試験内容の詳細とまとめ

1級建築士

受験資格

大学・専門学校・職業訓練校等で指定カリキュラムの単位を取得し卒業した者

(建築設備士には受験資格があります。また、その他特別に認められた者が受験できる場合があります)

試験の方法

学科試験(7月)

学科Ⅰ:建築:20問

学科Ⅱ:環境・整備:20問

学科Ⅲ:法規:30問

学科Ⅳ:構造:30問

学科Ⅴ:施工:25問

試験時間:Ⅰ・Ⅱで2時間、Ⅲが1時間45分、Ⅳ・Ⅴで2時間45分

※法規は法令集持ち込み可

設計製図試験(10月)

1課題:6時間30分(課題は予め公表されます)

資格試験の日程

学科:例年7月第4日曜

学科合格発表:例年9月上旬

基準合格ライン-Ⅰ・Ⅱ:11点、Ⅲ・Ⅳ:16点、Ⅴ:13点以上、全科目合計90点以上が目安

製図:例年10月第2日曜

製図の完成度によりランクⅠ~Ⅳに振り分けて採点され、ランクⅠのみ合格者となる

金額

受験手数料:17,000円

申込期間

【申し込み方法】

インターネット、郵送、受付会場で申込

【受付】4月中の指定の期間

試験会場

各都道府県の指定の場所

学科免除制度

「学科の試験」の合格者は、その年を含めて5年以内に実施される設計製図の試験のうち、3回を任意に選択して学科免除で受験できます。

免許登録費用

実務経験の年数をクリアすると、建築士として登録が可能です。

登録免許税(60,000円)・登録申請手数料(19,200円)が必要です。(国土交通省管轄)

受験案内

公益財団法人 建築技術教育普及センター

2級建築士

受験資格

大学・専門学校・職業訓練校・工業高校等で指定カリキュラムの単位を取得し卒業した者。

(建築設備士には受験資格があります。また、その他特別に認められた者が受験できる場合があります)

試験の方法

学科試験(7月)

午前Ⅰ:建築計画:25問

午前Ⅱ:建築法規:25問

午後Ⅰ:建築構造:25問

午後Ⅱ:建築施工:25問

 試験時間:午前3時間-午後3時間

 

※法規は法令集持ち込み可

 

設計製図試験(9月)

1課題:5時間(課題は予め公表されます)

資格試験の日程

学科:例年7月第1日曜

学科合格発表:例年8月下旬

基準合格ライン-各科目13点以上、全科目合計60点以上が目安

製図:例年9月第2日曜

製図の完成度によりランクⅠ~Ⅳに振り分けて採点され、ランクⅠのみ合格者となる

金額

受験手数料:18,500円

申込期間

【申し込み方法】

インターネット、郵送、受付会場で申込

【受付】3月~4月中の指定の期間

試験会場

各都道府県の指定の場所

学科免除制度

「学科の試験」の合格者は、その年を含めて5年以内に実施される設計製図の試験のうち、3回を任意に選択して学科免除で受験できます。

免許登録費用

人によっては実務経験が必要です。合格後すぐに登録が可能な人は、即申請できます。

2級建築士の免許申請にかかるのは登録申請手数料(19,200円)です。(各都道府県管轄)

受験案内

公益財団法人 建築技術教育普及センター

建築士を目指すための予備校・専門学校選び

指定カリキュラムを網羅している建築系の4年生大学に通う人は、卒業と同時に1級建築士の受験が可能になりますが、1級建築士の受験を目指す人は、在学中にTACや日建学院などの予備校に通い受験に備える人も多くなっています。試験対策によって効率的に勉強し、最短での試験合格を目指すのであれば、こうした予備校の利用は最適です。

 

また、青山製図専門学校や、日建工科専門学校、読売理工学院などの専門学校であれば、夜間や社会人向けのコースなどを利用して試験対策に特化したコースで学ぶこともできるため、建築系ではない4年生大学に通っている人が建築士を目指す場合や、既に社会人として働いている人、一念発起して建築士を目指したい人などは、専門学校や職業訓練校を利用して建築士を目指すと良いでしょう。

 

学科試験用の試験対策に加え、長時間試験となる製図試験のノウハウを身につけることは、試験に効率良く合格するには大切なことです。製図試験は、あらかじめ与えられた課題に対して、設計製図を行う試験です。長時間試験とはいえ、時間が足りなくなる可能性もある製図試験は、予め与えられた課題に対してどれだけ準備できるかも大切であり、製図試験対策は必ず行う必要があるでしょう。

 

実務経験を積みながら試験合格を目指すこともできるため、不動産に関わる仕事をしながら、試験合格を目指していくのも良いでしょう。

 

免許登録後の維持費としては、3年に一度の講習費用として1万5千円程度が必要です。

 

ハローワークの専門実践教育給付金の対象になるコース等もあるため、予備校講座や通信校講座・大学や短大・専門学校を利用する済には給付金が利用できないか検討してみましょう。

建築士を生かして就職した場合の年収や待遇

建築士の資格を本来の目的である建築設計士としての資格として生かして仕事する場合には、建築設計事務所に就職し、そこでキャリアアップを図るか、経験を積んで独立する方法があります。

 

建築士として設計の仕事をする場合には、どんな建物にも携わることができる1級建築士を目指すことになりますが、設計士としての給与は400万~900万円程度の範囲の求人が多くなります。1級建築士として世界に名を知られる建築士の場合にはこの限りではありませんが、建築士の試験の難易度は高いですが、平均した給与が高い仕事ではありません。ただ、1級建築士として実務経験を積むと、講習を受けて構造設計1級建築士や、設備設計1級建築士になることもでき、給与を上げていくこともできます。キャリアを生かして、自分のブランド性を高めることで、高給を目指せる資格です。

 

2級建築士の資格で設計関係の事務所に先に就職したい場合などは、給与の範囲は300万円~600万円程度(経験による)が一般的と言えるでしょう。

 

また、建物を建築したい人の話を良く聴き、相手が満足するものを建築する必要があるため、顧客との対話や交渉の能力なども求められる仕事です。現場での監督や、設備の管理などの仕事をメインでしたい人の場合は、大手ゼネコンなどに就職する方法もあります。

 

1級建築士や2級建築士の資格を生かして、コンサル業や営業、海外も含めた大型の設備管理(1級建築士に限る)の仕事に就職を考える場合には、年収1,000万円以上の求人も多数あります。

 

建築士になりたい人の中には、設計やデザインがやりたいからといった目的を持って建築士を目指す人も多く、給与より、働き方や自分のやりたい仕事ができるかを中心にキャリアを考える方法もあります。

 

また、設計事務所やハウスメーカー、リフォームの代理店などを起業して会社を設立することも可能なため、経営者を目指せる資格の一つでもあります。

 

資格の生かし方が多用で、資格取得に必要な学校教育年数がそこまで長くない資格ですので、社会人として働いている人も、建築やデザインに憧れのある人や興味のある人は検討してみると良いでしょう。

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