基本情報技術者試験は資格手当が期待できるIT分野の国家試験
国家 | 目安勉強時間 | 1日1時間勉強した場合 | 1日2時間勉強した場合 | 難易度 |
200時間 | 200日 | 100日 | B- |
基本情報技術者試験はIT分野での就職に使える資格手当がある場合が多いアピール資格
IT関連の仕事は今後も発展が続く分野でありながら人材不足に悩んでいる業界でもあり、未経験者でも意欲があれば挑戦できる分野です。
ただ、ITに関する仕事は幅広く、ITの分野で何ができて、どんな仕事があるのかを理解するためにも、基本的なITの情報を知っておくことは大切です。
機械語と呼ばれる、コンピューターにとっての言語は「1」と「0」の組み合わせて表されていますが、天才と呼ばれるような人でない限り、1と0の羅列だけで何が書かれているのかを理解することはできません。
そのために、プログラミング言語と呼ばれる、人が理解しやすい形に作られた言語があり、プログラミング言語で指示を出すことでシステムやソフト、データを動かしたり、管理することができるようになります。
基本情報技術者試験は、IT分野全体の基本を学び、習得するための試験です。この資格を取得していると、就職先で月収に手当が付くことが多くなりますが、この資格だけでプログラミングが出来るようになったり、ネットワークが組めるようになるということはありません。
IT業界の多くの企業では、未経験からの求人があり、社内教育を行っています。
そのため、IT分野で就職したいけれど、基本的な知識は付けて就職したいという場合に、基本情報技術者試験が最も役立ちます。
基本情報技術者試験をきっかけに広がる就職先と仕事
ITの技術を導入していない企業や会社は、ほぼ存在しないと言っても良いほどにITは浸透しています。農業から、官公庁に至る全ての業界で、ITの専門家を必要としています。
そのためIT分野の就職先としては、社内SEとして、社内でIT技術を駆使してネットワークの管理などを行うシステムエンジニアが求められることもありますし、外部から依頼を受けてシステムの開発や保守点検を行うITに特化した企業に勤めることもできます。
中には、フリーランスとして活躍している人もいますし、国外で活躍する人もいます。
IT分野の職は多岐にわたります。プログラミングを行う仕事から、サーバーを管理する仕事、データベースを開発・管理する仕事、それらを統括する仕事など、細かく分けると数十もの職種に分けられることもありますが、互いに依存しあっている部分もあり、全ての分野に一定の知識がある人は、ITコンサルタントとして活躍していくこともできます。
未経験から採用される可能性が高いのはプログラマーとシステムエンジニア
プログラミング言語には、コンパイラ型と呼ばれる言語(例:C言語、C++)と、インタープリタ型と呼ばれる言語(例:PHP、Ruby、Python)、その両方の性質を持つJavaなどがあります。
コンパイラ型と呼ばれる言語は、制御や組み込み型と呼ばれる、家電などにあらかじめ組み込むシステムの開発を行う事の多いプログラミング言語です。
インタープリタ型と呼ばれる言語は、アプリケーションの開発や、Web上のサイトづくりなど、身近なIT関連のシステムに使用されている言語です。言語そのものが人に分かりやすいように作られているために、初心者が勉強しやすい言語となっています。
Javaは、その汎用性の高さから、Twitterや銀行のシステムなど、あらゆるところに使われていて、Javaができる人は重宝されます。
基本情報技術者試験を受けて未経験で就職する場合には、プログラマーとして1から、言語を勉強して覚えていくことになりますが、その後はIT関連分野のあらゆる方向へと知識や技術を発展させることになります。
経験を積んでネットワーク管理・データベース管理の仕事へ
サーバーの設計、構築、保守、運用を行うエンジニアをサーバエンジニアと言いますが、サーバエンジニアになるには、WindowsやMacといった有名なOSの他に、サーバとして広く世界中で利用されているOSであるLinuxへの理解が不可欠です。
Linuxは、無償で使用できるOSのため、Linuxをサーバーとして使用してクラウドサービスなどが展開されています。
また、Cisco Systems 社のネットワーク機器を採用している企業が多いために、Cisco技術者認定資格を取得することで、サーバー関連のエンジニアとしてスキルアップしていくことができます。
データベースを扱う仕事でスキルアップしていく
検索エンジンの検索システムや、列車の運行システム、住所の保管システムなどはデータベース言語が使用されます。ORACLE MASTERの資格では、こうしたデータベースを扱うデータベースのための言語SQLへの理解が求められることになります。
農業分野、医療分野、官公庁や監査関連など、業種を問わずにデータベースの管理を行うシステム開発へのニーズは高く、求人数も多くなっています。
情報セキュリティに優れた技術者としてサイバー攻撃と闘う
映画などで目にすることの多い、セキュリティ分野で戦うIT技術者になりたい場合には、目指せる国家資格に、情報セキュリティスペシャリスト試験があります。
その他にも、サーバーやネットワーク関連の資格を取得し、セキュリティ対策に優れた技術者として、国内外を問わずに活躍の場を広げることができます。
ITコンサルタントとして年収を伸ばす人も
IT分野の知識に加えて、顧客とのコミュニケーションスキルを磨いた先には、ITコンサルタントとしての活躍の可能性が広がります。
開発を行う側の目線、顧客の目線、業界の動向、経済の状況など、あらゆる事を理解しながら提案や問題解決ができるITコンサルタントの年収は高くなります。
IT業界に転職・就職する方法として、プログラミング言語を学習してエンジニアとして就職するという方法もあります。この場合、転職支援を行っている、無料プログラムや、転職先の質が良く評判の良い有料プログラムなどを利用するのも良いでしょう。
基本情報技術者試験の受験資格と日程と費用のまとめ
誰でも受験することができます。
対象者として、高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者とされています。
CBT方式(コンピューターで回答を選ぶ方式)です。全国各地のCBT試験会場での試験となります。
午前試験:多肢選択式(四肢択一)
出題数:80問
午後試験:多肢選択式出題数
出題数:11問
- 基礎理論
- アルゴリズムとプログラミング
- コンピュータ構成要素
- システム構成要素
- ソフトウェア
- ハードウェア
- ヒューマンインターフェース
- マルチメディア
- データベース
- ネットワーク
- セキュリティ
- システム開発技術
- ソフトウェア管理開発技術
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント
- システム監査
- システム戦略
- システム企画
- 経営戦略マネジメント
- 技術戦略マネジメント
- ビジネスインダストリ
- 企業活動・法務
年2回の一定期間受験できます。
1回目:1月~3月の一定期間
2回目:夏頃予定
午前の部、午後の部の好きな時間に試験の予約をできます。「午前試験」「午後試験」と呼ばれるそれぞれの試験を、午前試験→午後試験の順であれば、同一の試験期間内に、どの時間帯にどの日程で受験しても問題ありません。ただし、それぞれ同じ期間に1度しか受験できません。
受験手数料:5,700円
【申し込み方法】
インターネットのみ
【受付】試験開始の1ヶ月程度前から試験終了の数日前まで
全国各地
試験を完了した月の翌月下旬頃からWebで確認できます
CBT方式の試験・試験会場や試験方式については委託先のプロメトリックにて確認できます。
基本情報技術者試験の試験内容と詳細
試験がCBT方式になったため、冬と夏の一定期間の長期にわたって受験のチャンスがあります。近くのコンピューター方式による試験を代理で実施しているCBT方式の試験会場に行くだけで、受験をすることができます。申込期限や期間にも余裕があるため、ある程度勉強が完成してから申し込むことができるようになりました。
基本情報技術者試験は、IT分野に関する事柄を幅広く理解するための試験です。
2進法や16進法など、機械語を理解するための数学の試験や、CPUやメモリについての理解、ソフトウェア、ネットワーク、システムなどの知識についてなど、基本的なIT技術の仕組みやプログラミング言語についてなどを広く理解することになります。
基本情報技術者試験を通じて、自分がどんな分野に興味があるのかを確かめることができます。
全くITの知識のない人のためのITパスポートという資格試験もありますが、IT分野で就職を考えている場合には、今後のためにも基本情報技術者試験を取得するか、何か1つでもプログラミング言語を覚えるという選択をした方が良いでしょう。
基本情報技術者試験に合格するための学校選び
予備校など大手予備校のTACや資格の大原で基本情報技術者試験の講座が開講されています。
また、IT関連資格の講座を開いているWinスクールでも、基本情報技術者試験の講座が開かれています。
費用は、10万円前後のコースが多くなっています。
スタディングなどの通信学習でも基本情報技術者試験のコースが開かれています。
予備校や専門学校によっては、基本情報技術者試験の午前の試験が免除になるコースを開校していることがあります。
一般教育給付金を利用することで、ハローワークから学習の支援手当を受けられる場合があります。対象の講座に当てはまる場合には、申請を行い学費負担を減らしましょう。
基本情報技術者試験は、幅広くIT分野の知識を身につけてから就職したい人向けです。
より実践的な技術を身につけて就職したい場合には、基本情報技術者試験を受けるより、PHP、Ruby、Python、Javaなどのプログラミング言語を学習して就職する方が良いでしょう。プログラミング言語の講座を無料で開講している、有料で開講し、就職を斡旋している企業やプログラムはたくさんあります。
エンジニアが不足している事もあり、実践的な技術を身につけている場合にはすぐにでも就職が可能です。
また、Webデザイナー(PHPやHTML、CSSといったWEBのページをデザイン・作成する人)を目指したい場合には、ハローワークなどで無料で就職支援講習が開かれている場合がありますので、そうしたプログラムを利用しましょう。
興味が引かれる分野など、方向性に合わせて資格取得や技術取得、就職を考えると良いでしょう。
基本情報技術者試験に独学で合格するには
基本情報技術者試験は独学でも合格可能な試験です。情報関係の勉強を全くしたことのない人の場合には、問題に取り組む前の情報系知識の背景の理解が必要なため、200時間程度の学習時間が必要と言われています。
基本情報技術者試験は受験者数も多いため、良質な参考書も多くあります。過去問題集と合わせて参考書と過去問を解くと良いでしょう。
※テキストには相性があります。必ず中身を確認してから購入しましょう。
独学でプログラミングを勉強してIT関連企業に就職する人もいる
基本情報技術者試験は国家資格であり、IT分野に詳しい人として認識されます。そのため、企業の就職に役立つことは多いですが、社内SEなどではなく、より実践的なアプリの開発者やシステム開発者を目指す場合には、プログラミングを独学で勉強し、実際にアプリ開発やWEBページの作成、ゲームの開発などを行って、その実績を背景に就職する方法もあります。
PHP、Ruby、Python、Javaを学習できる無料サイトは色々ありますので、ためしに学習してみるのも良いと思います。中でも、Progateは有名なサイトですが、かわいらしいキャラクターと一緒に少しずつ勉強できるので、楽しく学べると思います。
IT業界への転職の場合、システム開発経験などの実績を問われる事が多くなるため、より有利に転職を考える場合には、実際にプログラミングを行い、アプリの開発を行うなど実践が大切です。
合格率は20%~30%程度で推移している
午前・午後の試験ともに60%以上を得点すると合格できます。
IT分野について全く知識がない場合は、ITパスポートを受験してから、基本情報技術者試験に挑戦した方が良いでしょう。
プログラミング言語を覚えて就職した場合でも、就職後に基本情報技術者試験を受けると、より幅広い知識が身につきますし、資格手当が出る場合もあります。
さらに高度な知識を身につけて資格を取得する場合には、応用情報技術者試験や、分野ごと(システム・ネットワーク・情報セキュリティなど)に分岐した国家資格を取得するのをおすすめします。
基本情報技術者試験への求人と年収・時給の目安
IT分野の年収は、350万円~700万円程度が主流です。
ただ、就職する地域や、持っている技術によって年収は変化します。
プログラミングを行うエンジニアやシステムエンジニアとして就職する場合には、年収は300万円台からのスタートが多くなります。
未経験の場合には、プログラミング言語の学習などを社内で行うことになるため、学習費用がかかることもあり、年収のスタートが低めに設定されている事もあります。
ただ、プログラミング言語を習得して昇進、転職する場合には、年収は500万円程度が平均的です。
その後は、得意分野を作り、技術を高めることで、700万円、800万円台を目指すことができます。
幅広い知識を身につけてITコンサルタントとして活躍する場合には、年収1,000万円も狙うことができます。
一度技術が身につくと、派遣として高時給で自由な時間で働く方法や、フリーランスとして在宅で働くといった選択ができることがIT系分野の魅力でもあります。
IT分野に興味があり、技術を身につけてフリーで働きたい人こそ、IT関連の資格やプログラミング技術が役に立つでしょう。海外での活躍が期待できるのも、IT分野の強みです。