【保健師】全国で就職に強い健康を支える医療系専門資格

保健師 資格 なるには資格
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養護教諭も目指せる保健師は地域の公衆衛生と病気予防の専門家

国家基本学修年数専門・短大大学大学受験難易度
4年4年4年低~高

※大学・大学院は、選ぶ大学によって難易度が大きく異なります。

保健師は、看護師資格を前提とした資格です。看護師+保健師の資格取得ができる大学や専門学校で学ぶ必要がありますが、看護師資格を既に取得している場合には、保健師受験資格を得るために1年以上、専門学校や大学・大学院へ通うことで受験資格を得ることができます。

保健師は、保健所や自治体の保健センターで活躍することが多い要資格の仕事

都道府県の保健所や市町村の保健センターに就職する人が多い保健師は、看護師資格を前提とした資格であり、看護師資格を取得することができる学校では保健師の資格取得できるコースが用意されている場合があります。(看護師については詳しくはこちらを参照下さい

 

看護師として働くこともできる保健師は、町や企業、施設などの集団における健康を維持・促進する役割を担っています。市町村で働く際には統計資料などを活用し住民の健康状態を把握しながら予防接種の促進といった集団生活における健康管理を行ったり、子供から高齢者まで各家庭の状況を把握した上で必要に応じて支援を提案したりするなど、集団と個人に対応する業務を行っています。

 

健康問題の解決や予防を行う保健師の職場として最もよく知られているのは、保健所や保健センターです。保健師の7割が、都道府県・市町村等の地方自治体に就職しています。

 

保健所では、感染症対策や大規模災害・緊急事態に備えた健康危機管理のほかに、難病や精神障がい者の支援を行います。他にも、地域住民への支援として、高齢者対応や成人の病気の対応の他、個別で家庭訪問を行う、健康相談を受けるなどの支援があります。特に、母子支援として、両親学級や子育てグループの実施、家庭訪問、乳幼児健康診査、児童虐待予防などの対応も行っています。

 

市町村の施設である地域包括センターでも保健師が活躍しますが、包括センターでは保健師は高齢者の支援を行います。介護予防活動や、地域の保健・医療・福祉機関への案内などを主に行っています。また、児童相談所でも保健師が配置されることになっていて、児童虐待の相談や対応を行います。虐待の可能性を考え早めに対処する他、一時保護されている子供の健康管理、障がい児のケア、家族に保険面での指導などを行います。

 

一方で、病院や診療所で働く保健師は、入院中の患者や家族の相談や退院後の生活について保健所等と連携をとりながら対応を行う他、健康診断や人間ドックの対応も行います。

 

企業や高齢者施設やその他の施設においては、企業であれば特有の疾病に気を付けながら従業員の健康管理を行う他、施設等ではその施設のニーズに合わせた対応を行いながら、施設の利用者や職員が健康的な生活を送れるように気を配り、対応を行います。企業内の保健師の場合には、労働者の労働環境に合わせて必要な健康支援を行いながら、災害事故や過重労働による突然死等が起こらないように、労働環境について経営者と調整しながら、労働者が安全に、健康に働ける職場づくりをしていく必要があります。

 

このように、支援業務や相談業務、病院等の連携を図る業務が多い保健師ですが、保健師の場合には、養護教諭として学校で働く道もあります。

 

保健師の資格取得者は、「養護教諭二種免許」の申請を行えるようになります。保健師の資格を持って養護教諭になる場合でも、教職と養護教諭に関わる指定のカリキュラムを修了している必要があるため、進学する大学で養護教諭になるための指定科目を取得できるかどうかを確かめておく必要がありますが、カリキュラムを修了している場合には、保健師資格取得後に申請して教職資格を得て、養護教諭として採用試験を受けることができます。

 

学校側は、看護師の資格を前提としている保健師資格取得者の養護教諭を歓迎しているため、保健師の資格を取得した上で養護教諭を目指すことは、就職で有利にはたらきます。養護教諭は各学校に1人しか配置されないことも多く、倍率が高いことが多いため、養護教諭を目指しながらも他の就職先として保健師や看護師を視野に入れることができることは大きなメリットです。

保健師になるには指定の専門・短大・大学を卒業し国家試験の合格が必要

保健師を目指すには、看護師資格を取得する必要がありますが、看護師になるには、最低でも3年間の専門教育が必要です。それに加えて保健師の資格取得のための学習を行うので、保健師を同時に目指せる専門学校や大学は、4年制となります。保健師の資格取得を前提としたカリキュラムを組んでいる専門学校や大学を卒業すると、卒業と同時に看護師と保健師の国家試験を受験することが可能です。

 

保健師を目指すために必要なカリキュラムを受講していない場合で、看護師の資格を取得して就職した後に保健師を目指す場合には、専門学校か大学、または大学院において1年以上学び、その後国家試験を受験して合格する必要があります。看護師と保健師の資格を同時受験することはできますが、看護師の資格試験に合格しなかった場合には、保健師の試験に合格しても保健師として認定はされません。

 

保健師の資格を目指す上では、公衆衛生について中心に学びながら、実習などを通じて地域社会と関わりながら学んでいきます。その後、地域の保健師になるには、都道府県や自治体の筆記試験となる1次試験で小論文や専門科目の筆記試験、公務員試験等の審査を受け、2次試験では面接試験を受けた上で合格する必要があります。

 

保健師も目指したいという方は、勉強する期間や、専門学校へ行くのか、大学に編入するのか、それとも大学院へ進学するのかといった面を考慮した上で、保健師のカリキュラムを導入している学校を選びましょう。

 

大学や短大卒業後に看護師に興味を持った方は、専門実践教育訓練給付金を利用することで学費が大幅に安くなる場合があります。対象になる場合には給付金を利用しましょう。

保健師の国家試験の試験内容の詳細とまとめ

受験資格

大学・専門学校等において指定のカリキュラムを修了していると判断された者

試験の方法

マークシート式

客観式の一般問題と状況設定問題が出題されます。

公衆衛生看護学、疫学、保健統計学及び保健医療福祉行政論

 

資格試験の日程

年一回:2月中旬頃

午前:75分

午後:80分

合格発表:3月末頃ネット上で確認可能

金額

受験手数料:5,400円

申込期間

【申し込み方法】

申込書類を請求→郵送提出

【受付】12月の指定された日付まで

試験会場

北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県

登録免許税・登録料

試験合格後には、登録免許税(9,000円)が必要です。

受験案内・問い合わせ先

厚生労働省

保健師の合格率は81~91%程度で推移している

保健師の合格率は、81%~91%程度で推移していますが、年によって合格率が90%の時もあれば、80%程度のときもあるというように、バラツキがあります。

 

養成校では、国家試験の対策も行う他、同じ目標を持った仲間と一緒に勉強を続けることができるのでモチベーションの維持がしやすいこともあり、保健師の合格率は新卒者の場合には85~95%程度の合格率である場合が多くなっています。

 

反対に、既卒者の場合の合格率は18~50%程度と新卒者の合格率の半分以下に落ち込む場合もあることから、新卒のタイミングで合格できるよう大学や専門学校でしっかりと勉強しておくことが大切です。

 

得点基準は年によってわずかに前後しますが、およそ60%以上得点できれば合格となります。

保健師として就職した場合の年収や待遇

保健師の年収は平均で500万円を超えると言われていて、年収は比較的高めと言えます。都道府県や自治体等で働く行政の保健師の場合には、平均が530万円程度であり、企業等で働く産業保健師として活躍する場合には、600万円程度の年収を期待することができます。行政で働く場合には、安定して、かつ福利厚生がしっかりとした環境で働くことができます。

 

保健師の資格を生かして地域包括センターといった介護の分野で働く場合には、ケアマネージャーを目指す道もあります。ケアマネジャー(介護支援専門員)とは、該当資格に基づく業務か、生活相談員・支援相談員・相談支援員・主任相談支援の業務を5年以上かつ900日以上従事した方のみ受験資格が得られる福祉系の上位資格です。介護度の認定調査や、申請の代理、ケアプランの作成などが行えるようになります。

 

保健師の資格を生かして民間企業で働く、起業するといったケースもありますが、保健師を目指す人は、公衆衛生や地域の健康のために尽くしたいという気持ちを持って働いている人が多い資格です。看護師の資格を取得して働くうちに、病気や怪我の「予防」に興味を持って保健師を目指す人もいるので、看護師を目指す段階で保健師を意識していなかったとしても、保健師になりたいと思った時点で専門学校や大学、大学院で学んでから地域の保健師を目指すのも良いでしょう。

 

保健師についてより詳しく知りたい方は、下記のような図書を参考にしてみましょう。

 

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