【言語聴覚士】全国で就職に強い「言葉・聞こえ・食べる」の専門医療系資格

言語聴覚士 資格資格
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医療系国家資格「言語聴覚士」は意思疎通の能力を助ける資格

国家基本学修年数専門学校大学大学受験難易度
3~4年3~4年4年低~高

※大学・大学院は、選ぶ大学によって難易度が大きく異なります。

※4年制大学卒業者の場合には、2年制の専門学校卒業で資格取得を目指すこともできます。

医療や教育分野から「ことば」のコミュニケーションを支援する資格

「ことば」によるコミュニケーションが当たり前に取れる時には感じることのない言葉の便利さを、「ことば」が失われると大きく感じることがあると思います。風邪を引いてうまく声が出ない、咳が続いてスムーズに話すことができないといった日常の中の声のトラブルでも、人は不便さを感じるものです。

 

生まれながらにして聴覚に障害がある場合や発達による言葉の遅れがある場合、脳卒中などの病気による失語症や聴覚障害など、発達上の問題や病気、事故などによって言語、聴覚、発声・発音、認知の各機能に支障をきたすと、「ことば」によるコミュニケーションが難しくなる場合があります。

 

Speech-Language-Hearing Therapistを省略してSTと呼ばれることもある言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションに問題がある方に対し、専門的なサービスを提供することで、その人が社会の中で生きやすくなるように支援をする仕事です。言語聴覚士は、発話や聴覚への支援だけでなく、摂食や嚥下といった、食べる行為を助ける仕事も行います。

 

言語聴覚士として働く現場には、病院、リハビリセンター、福祉機関、保健機関、教育現場などがあり、発達上の障害を抱えて生まれた子供たちのために小児科のある病院で働く人や、事故や病気によってコミュニケーションに問題を抱えた人々を助けるために救急病院や病棟、リハビリセンターで働く人、高齢者支援のために福祉期間で働く人がいる他、学校で生徒に対し、発話や吃音の改善等を行う「ことばの学級」などで教員として働いている場合もあります。

 

言語聴覚士は、さまざまな問題の本質や発現メカニズムを解明し、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。

 

「ことば」は自分の意思を伝えるために最も大切な能力であり、言語聴覚士は、耳が聞こえない人にも、病気等で声帯を摘出した人にも、それぞれがまだ持っている力を生かしてコミュニケーションが取れるように支援していきます。電気式人工喉頭、機械を気管と食道の穴に設置して行うシャント発生、食道発声など、声帯を摘出した後でも声を出せるように支援するなど、可能な限りコミュニケーションが取れるように方法を考え、ことばによるコミュニケーションの力を保てるようにしていくなど、現代の医療や技術を用い、コミュニケーション能力の獲得を必要としている人のために奮闘する職業です。

 

医療現場では、医師や歯科医師、看護師や理学療法士、作業療法士などの医療専門職との連携が必要な仕事であり、福祉の現場ではケアマネージャーや介護福祉士、看護師などの介護の現場で働く人々との連携が必要です。教育現場でも、心理カウンセラーや他の教員との連携が必要であり、基本的には周囲と助け合いながら働く必要がある仕事であり、さらに、家族や保護者との関係も大切な仕事です。そのため、チームとして働く事や、周囲のケアを考えられる、人に対して尽くしたい気持ちがあり、相手の立場で気持ちを考えられる人が求められます。

言語聴覚士になるには指定の大学・専門校を卒業し国家試験の合格が必要

言語聴覚士は、全国で求人のある医療系の資格ですが、専門のカリキュラムを修了し、国家資格に合格する必要があります。大学、または専門学校を卒業する必要があり、専門学校は3年~4年と、学校によって修了までの年数が異なります。

 

医療系の大学・専門学校一覧にて、全国の言語聴覚士の資格取得が目指せる大学・専門学校の一覧と学校の特徴を確認することができます。

 

既に他の専攻で4年制大学を卒業している場合には、2年制の言語聴覚士の専門学校で学ぶ、または大学・大学院の専攻科で学ぶ方法があります。大卒者が言語聴覚士を目指すには、最短で2年必要です。

専門実践教育訓練給付金を利用することで、学費が大幅に安くなる場合があります。対象になる場合には給付金を利用しましょう。

言語聴覚士の国家試験の試験内容の詳細とまとめ

受験資格

大学・専門学校において指定のカリキュラムを修了しているか、同等以上の技能と知識があると認定された者

試験の方法

5肢択一式

午前:100問:2時間30分

午後:100問:2時間30分

出題範囲

基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥下障害学及び聴覚障害学

資格試験の日程

年一回:2月中旬の土曜日

合格発表:3月末頃ネット上で確認可能

金額

受験手数料:35,700円

申込期間

【申し込み方法】

申込書類を請求→郵送提出

【受付】11月中旬~12月中旬

試験会場

北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県

登録免許税・登録料

試験合格後には、登録免許税(9,000円)が必要です。

研修や保険加入のために協会員になると、年会費等がかかります。

例)一般社団法人 言語聴覚士協会

受験案内・問い合わせ先

厚生労働省

言語聴覚士の合格率は65%~80%程度で推移している

言語聴覚士の国家資格の合格率は60%~80%まで幅がありますが、養成校卒業後すぐに受験した場合の合格率は80%程度です。試験時間は5時間と比較的長時間であり、年に一度の試験に合格する必要があるため、養成校で学んでいる間に試験対策を行う必要があります。

 

養成校では、国家試験の対策も行う他、同じ目標を持った仲間と一緒に勉強を続けることができるので、モチベーションの維持がしやすく、卒業する年の2月に受験して合格することが最も合格しやすいタイミングと言えます。

 

合格基準は、配点を1問1点、合計199点満点とし、120点以上が合格とされています。

言語聴覚士として就職した場合の年収や待遇

医療系の国家資格は就職にとても強い資格ばかりですが、言語聴覚士の資格も、地方自治体や国、リハビリセンターや病院などの医療系施設や介護系施設など、さまざまな施設に就職先があります。また、必要とされる範囲が全国規模のため、地方都市での就職や、転職等にも有利な資格です。

 

資格取得後、実務未経験のうちは年収は250万円程度~ですが、300万円~600万円程度の年収が多く、就職先の法人や施設、経験年数等によって年収は変化します。医療法人や学校法人、自治体に就職する可能性が高いため、福利厚生がしっかりしている就職先が多い傾向にあります。また、言語聴覚士の仕事は、日中に行う事がほとんどですので、医療系の職種の中では休日や夜間には休みが取りやすい仕事と言えます。

 

教員として子供に言語聴覚士の資格を用いた仕事を行う場合には、教員免許も別途必要であり、教員としての給与水準で働くことになります。(教員免許についてはこちらを参照下さい

 

言語聴覚士の仕事は、社会に無くてはならない仕事であり、「コミュニケーション能力」という、生きるための根幹にある力を助ける仕事です。そのため、強いやりがいを感じて仕事をしている人も多く、日々の学習や研究を仕事を通じて続けている人も大勢います。

 

働く施設や機関によって、言語や聴覚に抱えている問題も異なるため、転職をしながら自分の言語聴覚士としての活躍の場を広げていく人もいます。

 

また、研究職として大学に残りながら、STとしての仕事をしている人もいます。

 

仕事のより詳しい内容についてや、どんな事を行うのかが知りたい人は、関連の本を読んでみる他、実際の仕事の場を見学してみると良いでしょう。

 

 

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