ファイナンシャルプランナーを目指すなら国家資格のFP検定を経て民間資格のAFP・CFPを取得しよう
資格の種類 | 目安勉強時間 | 1日3時間勉強で | 難易度 |
FP2級(国)/AFP(民) | 200時間程度 | 67日 | D |
CFP(民) | 450時間程度 | 150日 | B- |
保険・年金など一般の人のお金の相談のプロを目指すならFP系資格を取得する
FP(ファイナンシャルプランナー)の資格は、国家資格と民間資格が密接に結び付いた資格です。
一般的な資格取得の流れとしては、国家資格であるFP3級、FP2級を取得して講習を受けてAFPに登録し、その後CFPを目指す事になります。
ファイナンシャルプランナーは、証券アナリストやアクチュアリーのような金融機関に勤めて資産運用や分析を行う機関の中の金融の専門家を目指すものではなく、金融の知識がない人に向けて、正しい金融知識や金融に関わる法律や税制などの説明を行う、投資家やプロではなく、一般の人により近いコンサルタント業務を行う人たちです。
そのため、保険の営業や、富裕層を対象とした資産運用の窓口役などとして企業に勤める人もいれば、完全に独立し、個人で開業して各家庭の相談に応じるファイナンシャルプランナーとなる人もいます。
その他の資格と合わせてコンサルタント業務を行う人も多く、中小企業診断士の資格と合わせて中小企業の資産運用の相談に乗るコンサルタントを目指す人もいます。
柱となるのは接客業務ですので、人と接することが好きで、相手のニーズをくみ取ることができる人ほどコンサルタントとしての立場を高めていくことができます。
金融・保険業界に就職することを考える場合には、FP2級まで(講習を受ければAFPになれる)の取得を目指しましょう。
FP技能検定試験の仕組みとファイナンシャルプランナーになるためのルート
FP資格の受験ルートは2種類あります。日本FP協会か、金融財政事情研究会のどちらかから受験します。
FP協会かきんざいのどちらからでも申込・受験が行えます。FP協会から申込を行っても、きんざいから申込を行っても、資格そのものには違いがありませんが、実技科目の受験内容の選択肢が異なります。
FP資格の3級・2級は、午前中は学科試験、午後には実技試験を受験する必要があります。
学科試験も実技試験も選択・マークシート形式ですが、実技試験では、実際に誰かに資産形成のための提案をするとしたら、保険の提案を行うとしたら、などという前提において必要な資料の読み解きなどの問題が出題されます。
この際に、FP協会の実技試験の内容は資産設計提案業務のみですが、きんざいの場合には、個人資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務、中小事業主資産相談業務と、異なる内容の問題を選ぶことができます。
きんざいを受験する人の多くは、金融商品に関わる業務を既に行っている場合が多く、会社を通じて申し込みを行う人の数が多くなります。
特に金融業務等の経験がない状態で資格試験を受験したい人の場合には、新聞の切り抜きなど、より身近な資料から出題されるFP協会の検定試験を申し込むと良いでしょう。
検定試験の実技の内容である、資産設計提案業務、個人資産相談業務、生保顧客資産相談業務、損保顧客資産相談業務、中小事業主資産相談業務に関わる会社や企業がFP資格所有者の就職先となることが多くなります。
中でも、保険の案内人の募集は求人数が多くなります。
FP技能検定の受験資格と日程と費用のまとめ
実務経験が2年以上ある人の場合には、FP2級から受験することができますが、実務経験のない人の場合には、FPは3級から受験し、2級を受け、それからAFP講習を受けてAFP取得者となり、その後、講習を受けて資格審査6科目を受験し合格することでCFPに認定されます。
※日本FP教会より抜粋
ここでは、FP3級を受験してからFP2級へ、そしてAFP講習を受けてCFPを目指すことを念頭に、FP3級とFP2級の試験概要をまとめます。
AFP・CFPについては、日本FP協会認定資格です。そのため、国家資格であるFP3級・2級についての概要はFP協会のものをまとめました。
金融財政事情研究会(金財)からも、国家資格のFP3級・2級・そして1級を申し込み・受験することができます。
既に記した通り、実技については金財の方が選択項目は多くなります。金財でFP2級までを受験し、FP協会でAFP講習を受講してCFPを目指すこともできます。
FP技能検定3級
FP技能検定2級
FP技能検定の試験内容についての詳細
2級・3級とも、試験の範囲はほとんど同じです。
2級の学科試験の範囲の詳細については以下の通りです。
ライフプランニングと資金計画
- ファイナンシャル・プランニングと倫理
- ファイナンシャル・プランニングと関連法規
- ライフプランニングの考え方・手法
- 社会保険
- 公的年金
- 企業年金・個人年金等
- 年金と税金
- ライフプラン策定上の資金計画
- 中小法人の資金計画
- ローンとカード
- ライフプランニングと資金計画の最新の動向
リスク管理
- リスクマネジメント
- 保険制度全般
- 生命保険
- 損害保険
- 第三分野の保険
- リスク管理と保険
- リスク管理の最新の動向
金融資産運用
- マーケット環境の理解
- 預貯金・金融類似商品等
- 投資信託
- 債券投資
- 株式投資
- 外貨建商品
- 保険商品
- 金融派生商品
- ポートフォリオ運用
- 金融商品と税金
- セーフティネット
- 関連法規
- 金融資産運用の最新の動向
タックスプランニング
- わが国の税制
- 所得税の仕組み
- 各種所得の内容
- 損益通算
- 所得控除
- 税額控除
- 所得税の申告と納付
- 個人住民税
- 個人事業税
- 法人税
- 法人住民税
- 法人事業税
- 消費税
- 会社、役員間および会社間の税務
- 決算書と法人税申告書
- 諸外国の税制度
- タックスプランニングの最新の動向
不動産
- 不動産の見方
- 不動産の取引
- 不動産に関する法令上の規制
- 不動産の取得・保有に係る税金
- 不動産の譲渡に係る税金
- 不動産の賃貸
- 不動産の有効活用
- 不動産の証券化
- 不動産の最新の動向
相続・事業承継
- 贈与と法律
- 贈与と税金
- 相続と法律
- 相続と税金
- 相続財産の評価(不動産以外)
- 相続財産の評価(不動産)
- 不動産の相続対策
- 相続と保険の活用
- 事業承継対策
- 事業と経営
- 相続・事業承継の最新の動向
ファイナンシャルプランナーは、金融に関連したあらゆる質問に対して的確な答えが導けるよう、幅広い知識を取得することが求められます。
FP試験に合格するためのテキスト・学校選び
FP3級・2級の試験については、独学で合格する人が多くなります。ただ、金融の知識が全くなく、学習に不安がある人の場合には、TACやLECなどの資格予備校で学習を行う人もいます。
FP2級の場合、Web講座や通学講座などを使用すると、1万円~5万円程度の受講料がかかります。
通信講座で有名なのは、アプリ学習で人気のスタディング、宅建通信で有名なフォーサイト、安心の大手通信教育講座ユーキャンと、ヒューマンアカデミーです。ヒューマンアカデミーの通信講座は「たのまな」という名称です。
学習スタイルによって選ぶ講座は変わってくると思いますが、以下に概要をまとめました。
スタディング | フォーサイト | ユーキャン | たのまな | |
FPの内容 | 3級コース、2級コース、3級2級セットコースあり | 2級コース | 2級コース | 2級+AFPコース |
金額 | 4,500円~30,000円程度まで | 50,000円程度 | 65,000円程度 | 65,000円程度 |
詳細 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
キャンペーン等により価格が前後する場合があります。ユーキャンや、ヒューマンアカデミーでは、より手厚いスタッフの応援なども受けることができます。
中には無料で講座を行っているWebサイトや、Youtubeなどの動画での講座もあります。
3級の場合、TACのテキストが分かりやすいと評判が高く、多くの人に使用されています。
FP2級のテキストについては、内容への評価がテキストによって異なるため、実際に手に取って、自分に合うテキストを探しましょう。
過去問は必ず解いて、試験に備える必要があります。
CFPを目指す段階になると、独学の人と、講座を受講する人とに別れます。
TACなどの予備校でCFP講座を受講する場合には、20万円程度の費用が必要となります。
FP技能検定の合格率の推移
3級の合格率は、学科で70%、実技で80%程度です。きんざいで受験した場合の合格率はこれより低くなります。
2級の合格率は、学科で40%、実技で60%程度です。きんざいで受験した場合、学科で20%程度の合格率と、かなり低くなる場合もあります。
3級から、2級の難易度のギャップが高い資格試験です。独学でも合格は可能ですが、2級の試験勉強は、より細かく、しっかりと準備しておく必要があります。
FP2級に合格後、AFPの会員となる場合には、以下の費用が必要です。
必要経費
AFP:入会金 10,000円 / 年会費 12,000円(課税対象外)
CFP:登録費5,000円 / 年会費 12,000円+8,000円
その他、資格を維持するために2年毎の更新に必要な単位取得が義務付けられています。
FP2級・AFP・CFPの資格への求人と年収の目安
コマーシャルや、個別事例の資産管理についての相談記事などが増えたこともあり、AFPとCFPへの知名度が高くなっています。そのため、AFP・CFP有資格者への求人数が増えています。
住宅ローンや生命保険の説明、資産管理の相談を扱う企業の求人の場合、400万円~700万円程度の求人募集が多くなります。
金融商品を取り扱う企業や、富裕層を対象とした資産管理の相談を行う窓口や営業として働く場合には、CFPの資格保持者であることを求められる場合が多くなりますが、この場合、年収はさらに高く、800万円以上~、実力に応じて1,000万円超を目指すこともできます。
ファイナンシャルプランナーは、人と話をすることが前提の業務です。そのため、営業が得意な人、相談にのる事が好きな人に向いている資格です。
窓口に座って顧客を待つタイプの方法から、会社や企業を訪問する、個人の顧客宅を訪問するといった、営業スタイルによって就職先の希望を変えるのも良いでしょう。
ダブル・トリプルライセンスでさらにコンサル力をアップする
金融系の資格、コンサル系の資格との相性が良い資格です。
中小企業診断士の資格を取得し、中小企業を相手にコンサル業務を行う方法があります。
宅建士の資格を取得することで、不動産関連業務のコンサルに強くなる方法もあります。
資産の運用や投資に関連した仕事に幅を広げる場合には、証券アナリストの資格を取得すると、さらに金融の世界でステップアップすることができます。
金融の世界で相談業務や営業のエキスパートとして活躍したい人は、FP資格に挑戦してみましょう。