栄養士・管理栄養士は全国で求められる就職に強い国家資格
栄養士の資格は指定の学校を卒業すると自動で付与される
栄養士の資格は、資格取得できる専門学校や大学を卒業することで栄養士の資格を得ることができます。
国家 | 基本学修年数 | 指定の短大・専門・大学 | 職業訓練 | 大学受験難易度 |
2年~4年 | 〇 | 〇 | 低~高 |
※選ぶ学校によって難易度が異なります。
指定大学を卒業・実務経験を積んで管理栄養士試験を目指す
管理栄養士の資格は、管理栄養士養成校に指定された4年生大学で学修し、管理栄養士の資格試験を受験して合格することで資格取得できます。
国家 | 基本学修年数 | 管理栄養士養成校 | 大学受験難易度 |
4年 | 〇 | 低~高 |
※選ぶ学校によって難易度が異なります。
栄養士は専門教育のみ、管理栄養士資格は試験合格が必要な資格
栄養士の資格は、専門学校、短大、大学の他、職業訓練校(開校している学校があれば)でも取得可能です。指定の学校を卒業することで自動的に取得できるようになるため、資格試験等は必要ありません。卒業証明とともに、各都道府県の指定の窓口で申請費用5,600円を支払い申請を行うことで、栄養士の免許を取得することができます。
一方で、管理栄養士になるには、資格試験を受験して合格する必要があります。
管理栄養士になる近道は、管理栄養士養成校として指定された大学(一覧はこちら)の4年生時に卒業見込みの状態で3月の資格試験を受けて合格することです。管理栄養士養成校を卒業した場合にも栄養士の資格は取得できます。
栄養士を取得して働いている人も、栄養士の資格を生かして働いた期間が指定の実務期間を超えれば、管理栄養士の資格試験に挑戦することができます。
栄養士の資格が取れる学校 | 管理栄養士 |
修学2年の栄養士養成校 | 実務は3年必要 |
修学3年の栄養士養成校 | 実務は2年必要 |
修学4年の栄養士養成校卒業 | 実務は1年必要 |
修業4年の管理栄養士養成校卒業見込 | 4年生の3月に受験可能 |
修業4年の管理栄養士養成校卒業 | いつでも受験可能 |
栄養士が求められる職場・管理栄養士が求められる職場
栄養士の資格を生かして働ける職場は全国にある
栄養士・管理栄養士は、どちらも食に関わるアドバイザーであるという点では共通しています。ただ、栄養士の資格を経てから管理栄養士になることから、管理栄養士は栄養士の上位資格と言えます。
栄養士の資格を生かした就職先は、保育園・幼稚園・学校、老人ホームや医療施設等におけるなどの食事の提供を行う場です。集団が生活する場における食事提供では、栄養を考えた献立づくり、調理業務、衛生管理等の技術が必要で、栄養士の養成学校である専門学校や大学では、それらの技術を獲得するために実習を行いながら学びます。
学校や医療施設、老人ホームやケアハウスなどは全国にあるため、栄養士は就職に強い資格の1つです。また、数は少ないですが保健所や保健センターなどに公務員として就職することもできます。他にも、研究施設や教育機関で働く、食品メーカーで働く、スポーツ施設等で栄養のアドバイザーとして働く選択肢があります。
管理栄養士の資格が無ければできない仕事が全国区である
管理栄養士は、栄養士の上位資格となるため、資格取得者は、より専門的で高度な栄養知識を持つ人物として期待されます。
徹底した栄養管理が必要な入院中の患者や、専門的な栄養の指導を必要としているスポーツ選手など、より高度な管理が必要な場において活躍するのが管理栄養士です。
医療施設などでは、医師や看護師、薬剤師と連携した栄養サポートチーム(Nutrition Support Team)が設置されることもあり、管理栄養士はチームの中心的な役割を担うことが期待されます。特に、病院での栄養指導は管理栄養士に限定されているため、管理栄養士でなければ指導は行えません。
栄養士も管理栄養士も、全国規模で就職に強い資格です。一度資格を取得すれば更新の必要も無く、再就職にも強い資格のため、一生使える資格取得に悩んでいる人で、食に対しての関心が高い方の場合には、検討する価値がある資格です。
管理栄養士の試験内容の詳細とまとめ
例年3月中(10月頃に試験要項が発表される)
合格発表:3月下旬
基準合格ライン-60%程度の正答率
受験手数料:6,800円
【申し込み方法】
書留郵便によって申込書を提出
【受付】12月中の指定の期間
北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県、沖縄県
各都道府県の管理栄養士免許申請受付窓口に、合格証書と戸籍等必要書類を持参し、収入印紙15,000円分とともに提出して免許取得を行います。
管理栄養士資格取得のための学校選びと合格率
管理栄養士の資格は、60%程度の得点率が合格基準となっています。管理栄養士養成過程の新卒者に限っては、合格率は90%を超えていることがほとんどですので、管理栄養士養成課程で学修している人は、大学卒業見込みの時には受験対策がほぼ完成していると言えます。
一方で、栄養士の資格を得てから管理栄養士を目指す方などを含む全体の合格率は、60%程度で、年によっては40%近くまで落ちる事もあります。
予備校を活用して管理栄養士の試験対策を行うことは、管理栄養士に特化した学習を行っていない人にはとても有効です。通学タイプから、通信タイプまでコースは色々あります。特に、東京アカデミーは模擬試験を行っていることや、試験対策のテキストを出版していることもあり、管理栄養士試験対策学校として有名です。
学校は、先生との相性や自分が勉強したい範囲、独学が得意かどうかなどによって選び方は異なるため、資料を取り寄せる、見学に行くなどして納得できる学校選びをしましょう。以下には、代表的な学校と講座の金額を記載します。
東京アカデミー | SGS総合栄養学院 |
1年コース: 21万円程度(期間により安くなります) 通信 5万円程度 | 通学 22~35万円程度 通信 18万円程度 |
ハローワークの専門実践教育給付金の対象になるコース等もあるため、予備校講座や通信校講座・大学や短大・専門学校を利用する済には給付金が利用できないか検討してみましょう。
栄養士・管理栄養士を生かして就職した場合の年収や待遇
栄養士・管理栄養士が働く職場の多くは、学校施設や病院など全国に必須の施設ばかりです。そのため、地域の給与体系に大きく影響を受ける面があり、県や地域の平均的な給与は各地で異なります。
東京都であれば月給22万円であっても、同じ仕事が地方では月給18万円程度となるなど、地域差はありますが、営利目的で利益を追求する仕事ではないため、年収は比較的安めと言えます。ただ、公務員を目指せる、病院や学校は全国にあるため転職しやすいといった利点もあり、さらに、福利厚生がしっかりとした職場が多いこともメリットです。
子供に関わる民間の施設の栄養士や、企業で栄養士の資格を生かして就職する場合には、学校や病院・介護施設等に就職した場合より高い給与で働けることもあります。年収は、200万円~400万円程度の給与幅であることが多いですが、工夫次第でそれ以上の年収を求めることもできます。
アスリートの専属管理栄養士になるなどして栄養士としてのブランド性を高める、栄養に関わる事業を立ち上げて会社を経営するなど、生かし方によっては可能性の広がる資格でもあります。
管理栄養士の場合には、栄養士の給与と比較して高めな給与設定が提示されますが、特に食事のケアが必要な医療施設などでは、年収500万円以上で求人がある場合もあります。
食事をしないで生きることはできないため、栄養を考えることは最も身近で人を助ける仕事ができる仕事です。そのため、食に興味があり、やりがいを求めて栄養士・管理栄養士を目指す方も多く、人によって働き方や求める給与が異なる資格と言えるでしょう。
自分がどんな栄養士になりたいのかを考え、大学で学ぶか、短大や専門学校で学ぶかを決定し、お金や時間と相談しながら資格取得を目指しましょう。