世界で通じる証券アナリスト資格ならCFA
海外 | 試験の種類 | 目安勉強時間 | 1日1時間勉強した場合 | 難易度 |
レベル1 | 300時間~ | 1年程度 | A | |
レベル2 | 300時間~ | 1年程度 | ||
レベル3 | 300時間~ | 1年程度 |
※CFA受験以前に会計・経済等の知識が必要なこと、一定以上の英語力が問われることから、難易度は高めになります。
最高峰のエコノミスト・アナリスト・ファンドマネージャーを目指す資格
金融機関等で運用や分析を行うエコノミストやアナリスト、ファンドマネージャーのための資格には、日本の民間資格である証券アナリストがありますが、世界で通用する証券分析のための資格が欲しい場合には、CFA(Chartered Financial Analyst)を目指すことになります。
金融機関や保険会社、年金機構などは、民間から集めたお金を運用して利益を出さなければいけません。そのため、機関投資家として活躍するファンドマネージャーや、分析を得意とするアナリストなど、金融商品や経済のプロが必要となります。
あらゆる投資についての分析の指標や計算方法を知り、それを実践に移す能力があり、定性的(少ないサンプル・言葉の分析など)・定量的(数値上のデータの分析など)な分析を行って、利益をもたらすことのできる能力のある人を、金融機関(証券会社・銀行・保険会社など)は常に必要としています。
CFAは、投資運用実務を反映して、極めて高度な水準で人材を評価することを目的とした資格試験です。バンクオブアメリカ、シティグループ、クレディ・スイス、ゴールドマン・サックス、HSBC(香港上海銀行)、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレー、RBC(カナダロイヤル銀行)等の大手金融機関が採用することで知られる資格であり、実績と資格を合わせることで金融機関への就職や、講演・執筆者としての道が開かれます。また、監査人として世界の監査機関に就職することもできます。
CFA(Chartered Financial Analyst)は、米国証券アナリストと呼ばれるアメリカの証券アナリスト資格ですが、試験は全て英語であり、3次試験まである資格です。
このCFAは金融の世界では広く名の知れた資格です。日本国内の有資格者数がまだまだ少ないこともあり、資格を取得している場合には、就職に圧倒的に有利にはたらきます。よくMBAと比較されることの多い資格ですが、MBAは企業経営に重きを置いてマネージメントについて学んだ修了証明である一方で、CFAは証券分析などの金融商品の運用や分析のための資格であり、単純に両者を比較することはできません。ただ、費用の面からは、高い学費の他に留学費用もかかるMBA留学よりは、CFAの方が資格取得による費用対効果が高いと言えます。
CFAは、レベル1~3までの各試験に300時間の勉強時間を求めている資格であり、CFAの試験合格のためのプログラムとして推奨されるWILEYやSchweserによるテスト用プログラムを受講して、試験に臨むことになります。
CFAや証券アナリストの資格は1次試験合格者から求人募集がある事も多く、どちらの資格でも1次試験の合格を達成することが大切となります。1次~3次試験まであるCFAでは、受験者は各6時間の3つの試験に順次合格する必要があります。特に、3次試験では英語エッセイがあるため、日本人にとっては難所となっています。
また、合格後にCFAに認定されるには、4年以上の運用等の経験が必要となっています。実績については試験合格後に積むことも可能です。CFAを取得して、かつ英語力に問題がない場合には、海外で活躍する道も拓けてきます。
CFAの受験資格と日程と費用のまとめ
誰でも受験することができます。
レベル1→レベル2→レベル3の順に受験し、全てに合格後、認定を受けてCFAとなることができます。
レベル1:多肢選択式240問
レベル2:多肢選択式120問+記述式20~30問
レベル3:記述式20~30問
株式分析、職業規範、債券分析、財務分析、定量分析、経済学、コーポレート・ファイナンス、ポートフォリオ・マネジメント、リスク管理、資産配分、パフォーマンス計測
レベル1では投資分析に関する知識を中心に問われます。
レベル2では投資に関する評価を中心に問われます。
レベル3ではポートフォリオ・マネジメントとして投資を行う立場の意見を求められます。
レベル1:2021年以降、コンピュータ・ベース試験(CBT)として年4回実施
レベル2:2021年以降、CBTとして年2回実施(2021年5月、それ以降は2月と8月)
レベル3:2021年以降、CBTとして年2回実施(5月と11月)
全試験 午前3時間 午後3時間
申込み期間によって金額が異なります。
早期申込み:700ドル
一般的な申込み期間:1,000ドル
遅めに申込みする場合:1,450ドル
※レベル1を受験する時のみ登録費用として450ドルが別途かかります。
2.5~3ヶ月前までに試験申込みは締め切られます。
国内会場:東京
世界95ヵ国193カ所
世界の希望する会場で試験が受験できます。日本では東京会場での試験になります。
レベル1および2については60日以内
レベル3については90日以内
CFAの試験内容と詳細と勉強方法・学校選び
CFAの試験は、各試験について300時間程度の学習を目安としていますが、CFAの試験に合格するためのプログラムを、大学や試験対策機関が多数提供しています。
基本的には全てのプログラムが英語であり、大学の場合は現地の学校となるために日本でCFA受験を考えた場合には、オンラインでできる英語学習プログラムを活用するか、それを元に日本語学習ができるようにしたTACのCFA対策講座を選択することになります。
英語で学習することを選択する場合、SchweserかWileyのどちらかを選択することになるでしょう。英語で試験問題を理解し、レベル3の試験では英語で長文記述に対応する必要があるため、金融英語を勉強するには英語プログラムの利用が試験対策に結び付くと言えます。
SchweserかWileyを受講して試験に備える
Schweserの独学用のパッケージは、レベルにかかわらず650ドルで販売されています。オンラインによる添削や、直接講義を受けられるパッケージなども販売されていて、2,500ドルのプレミアムコースもあります。Schweserは、長く続いているCFA用講座です。現在のプランは、1度申し込めば合格まで無料で同じコースに申し込めます。
Wileyの独学用のパッケージも、レベルにかかわらず650ドルで販売されています。他にも、オンライン授業を受講できるコースや、模擬試験などがあるコースもあり、1,400ドルのプレミアムコースもあります。Wileyのプログラムは、1度申し込めば試験にパスするまで有効であること、解説が詳しく、教材が見やすいことなどが特徴として上げられます。
解説から得られる理解度や、教材やアプリ教材の作りによって自分に合う、合わないがあります。講座の無料のトライアルがあるので、試してから決めるようにしましょう。
TACの講座で日本語で勉強し、英語対策を行う
Schweser社コンテンツを利用して日本語で講義を行うTACの授業では、MBAや証券アナリスト資格を既に取得済みの人向けの15万円~17万円程度の講座と、会計や経済の知識から学習する20万円程度の講座が開かれています。オンラインと、通学講座があり、自分の学習スタイルに合わせてコースを選ぶことができます。
対面で質問できる環境で、かつ日本語で勉強したい人は、TACの講座を受講すると良いでしょう。
予備校を利用する場合には、一般教育給付金を利用することで、ハローワークから学習の支援手当を受けられる場合があります。対象の講座に当てはまる場合には、申請を行い学費負担を減らしましょう。
合格率は40%~50%前後で推移している
合格率はレベル1で43%、レベル2で45%、レベル3で56%程度で推移しています。合格基準は発表されていませんが、50%以下の得点が重なると、合格は難しいと思われます。70%以上を得点できる科目が多い場合には、50%以下のものがあっても合格となる傾向があります。
1年ほど時間をかけて勉強して試験に臨む人が多く、合格率は高めですが、それだけ受験者がしっかりと勉強しているということでもあります。
CFAへの求人と年収・時給の目安
外資系企業や、海外での就業を選ぶ場合には、CFAは大きく目を引く資格となります。投資については、実務経験等を重視されますが、それでもCFA取得者へのニーズは高くなっています。
日本においても、資格取得者数が少ないこともあり、大手企業や金融機関を含む組織がCFA保持者を求めています。
ビズリーチなどの高年収案件をヘッドハンティングしている転職サイトに登録することで、転職に結び付きやすくなります。
800万円~2000万円程度の求人が多いCFA資格は、資産運用の実績や経験によってそれ以上の年収を目指すこともできます。
英語力によって外資系企業や海外でどれくらい活躍できるかは異なりますが、CFA資格を取得することで一定の英語力の証明にもなります。CFAの会員、および日本CFAの会員となることで、年間の維持費が5.2万円程度かかりますが、常にアップデートされた情報にアクセスできるようになります。
投資・運用の世界で年収を高めたいと考えている人は、CFAの資格取得を目指しましょう。