就職に強く高年収が狙える経理の上位資格【日商簿記1級】

簿記 資格資格
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日商簿記検定1級は全国規模で需要が高く高収入を狙える資格

公的目安勉強時間1日2時間勉強した場合1日3時間勉強した場合難易度
1000時間程度1年半程度1年程度A-

↓日程と費用のまとめに移動する

経理の世界で実力を示せる全国で就職に強い資格は日商簿記1級

経理の職に就くためには、必ずしも簿記1級が必要な訳ではなく、経理職に就きたいと考える人が取得する資格として一般的なのは日商簿記2級となっています。

 

ただ、高収入の経理職に就きたいと考えた場合、日商簿記1級は就職に強い資格となります。資格取得後には、日商簿記1級取得が受験資格の選択肢の1つとなっている税理士や、公認会計士を目指す人も多い資格ですが、日商簿記1級のみでも企業が経理職の応募条件として掲げている場合も多く、日商簿記2級の勉強を終えた人が次を目指すのなら、日商簿記1級を取得すると選択肢の幅が広がります。

 

経理の仕事がない職はありません。事業は必ずお金の移動をともなうため、それを記録することのできる人が必要となります。

 

現在では、インターネットの普及とソフトウェア開発が進んだ事もあり、実務においては簿記の基本である帳簿付けなどを行うことはなく、ソフトを利用して業務を行うことになりますが、日商簿記1級で問われる工業簿記や原価計算、会計学の知識を持つ人材は、規模の大きい企業や原価計算を必要とする企業には欠かせない人材です。

 

日商簿記1級取得者を募集する求人には、税理士の科目合格者やUSCPA(米国公認会計士)取得者向けのものも多く、企業内部の経理を担う高い能力が求められます。

 

監査法人に就職することの多い公認会計士や、個人や中小企業の税務を請け負う開業者の多い税理士と違い、日商簿記1級取得者は企業内部の会計の仕事に就職する選択をする人が多く、企業に経理職で就職して会計の仕事をしたい人の選択肢として、日商簿記1級を検討すると良いでしょう。

 

日商簿記1級の取得者には、将来的には公認会計士や税理士を目指す人も多いですが、日商簿記の資格と英語資格など、その他資格を合わせることで、他者との差別化を図ることができます。

日商簿記検定1級の受験資格と日程と費用のまとめ

受験資格

誰でも受験することができます。

試験の方法

商業簿記・会計学(90分)
工業簿記・原価計算(90分)

数値や文字の記入を行う記述方式

試験範囲と内容

商業簿記・会計学では、購買活動や販売活動など、企業外部との取引を記録・計算 する技能で、企業を取り巻く関係者(経営管理者・取引先・出資者等)に対し、適切、かつ正確な報告(決算書作成)を行うことができるよう、法令等も含めた内容の理解が求められます。

工業簿記・原価計算では、企業内部での部門別や製品別の材料・燃料・人力などの資源の投入を記録・計算する技能や、経営管理に必須の知識が問われます。

 

資格試験の日程

2021年2月28日

試験時間:3時間

金額

受験手数料:7,850円

申込期間

【申し込み方法】

受験希望地の商工会議所で申込を行います。

申込期間や申込方法、日程などは商工会議所毎に異なります。

こちらから検索してください

試験会場

希望地の近くの高校や専門学校など

合格発表

約2ヶ月後にWeb照会と郵送で通知

試験の日程により異なるため申込先の商工会議所のHPで確認しましょう

受験案内

日本商工会議所・各地商工会議所

簿記はどの級からでも受験ができるため、1級から挑戦することもできます。

日商簿記1級の試験内容と詳細

日商簿記1級は、極めて高度な商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算を修得し、会計基準や会社法、財務諸表等規則などの企業会計に関する法規を踏まえて、経営管理や経営分析を行ことができるレベルが求められます。

商業簿記・会計学では、企業外部の取引についての記録や計算を行う方法を学びますが、主な内容は以下の通りです。

  • 株式の発行
  • 剰余金の配当と処分
  • 合併と無形固定資産
  • 法人税と消費税
  • 商品の販売に関すること
  • 手形と電子記録債権
  • 銀行勘定の調整
  • 固定資産の減価償却
  • リース取引
  • 研究開発費とソフトウェア
  • 有価証券
  • 引当金
  • 外貨換算会計
  • 税効果会計
  • 伝票と仕訳日計表
  • 清算表と財務諸表
  • 帳簿の締め切り
  • 本支店会計
  • 連結会計
  • 製造業会計
  • 会計基準および企業会計に関する法令等

 

工業簿記・原価計算では、企業内部の会計についての計算や記録について学びますが、主な内容は以下の通りです。

  • 材料費
  • 労務比
  • 経費
  • 製造間接費計算
  • 部門費計算
  • 原価会計
  • 工業簿記の財務諸表
  • 本社工場会計
  • 標準原価計算
  • 直接原価計算
  • 営業費
  • 差額原価収益分析
  • 戦略の策定と遂行のため
    の原価計算など

内容の多くは2級と重なっていますが、理解の深さが求められるため、合格までには長期間の勉強が必要となります。

日商簿記1級に合格するための学校選び

日商簿記1級に相当する学習を通学で行う場合には、自費で予備校に通う方法、または、通信制や通学で大学の経済・商業学部に通いながら簿記関連科目を取得するために勉強する方法があります。

日商簿記1級のための予備校比較

学校名LECTACクレアール
特徴通信・通学を選択することができます。通学学習があり、初学者に分かり安いと評判

 

TAC予備校は定評のある学校です。

 

自立学習ができる方は通信を検討してみるのも良いと思います。

クレアール簿記検定講座
科学的・合理的・経済的に日商簿記検定試験の合格が目指せます!詳しい資料を無料で急送します。


金額通学・通信:12万円程度~20万円程度通信・通学:12万円程度~20万円程度通信:8万円程度

 

予備校に通う場合には、就職斡旋をしてもらえる、次の資格取得について検討することができるなどのメリットがあります。

 

1級の場合は取得難易度の高さから予備校に通う人も多いですが、簿記の場合には受験者数が多いこともあり、良質なテキストが多く出版されているため、独学での学習も可能です。また、大学で経済や商業系の学部で学習を重ねて受験することもできます。

 

予備校を利用する場合、学生生協などから講座に申し込んだ場合には、割引料金で受講できることがあります。

一般教育給付金を利用することで、ハローワークから学習の支援手当を受けられる場合があります。対象の講座に当てはまる場合には、申請を行い学費負担を減らしましょう。

独学で日商簿記1級の勉強をする場合

簿記1級は、1000時間程度を目安に学習が必要な資格であり、簿記2級の学習が終了している人でも簿記1級までには会計や経済の仕組みの理解に基づく深い内容の理解が求められます。

 

そのため、独学ではなく、通信や学校を選択する人も多い資格ですが、簿記1級は受験者数の多さからも使える教材が多い事もあり、学習教材を駆使して独学合格を目指すこともできます。

 

テキストは、TAC出版から出ている「スッキリわかる」シリーズか、ネットスクールから出ている「とおる簿記」シリーズを利用する人が多くなります。それぞれに、問題集や過去問があるので、理解し易いと感じる教科書を使用すると良いでしょう。

わかるシリーズ

とおるシリーズ

予想問題

商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算それぞれの問題集と、過去問や予想問題集を購入する必要があり、スッキリわかるシリーズは基本問題集とテキストで8冊、とおるシリーズは12冊に分かれています。

 

簿記1級のテキストは、細かい内容の説明を求める場合にはどれも冊数が多くなりますが、一定程度大学で簿記や会計の学習が終わっている方や、他のテキストで簿記1級レベルもある程度理解しているという方は、簿記1級の試験問題に近い形で4冊にまとめられている中央経済社の簿記講義のテキストをおすすめします。

厚さ1cm程度の本4冊で学習できるため、一から勉強をする必要がない方は、こちらの参考書で1級を目指すと良いでしょう。

 

会計の知識について身につけたい場合には、独立した知識を学べる下記のようなテキスト使用するのもおすすめです。

日商簿記1級は70%以上で合格できる

商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算のそれぞれについて合計70%以上を得点できれば合格となります。(ただし、各科科目最低40%以上得点が必要です)

合格率は、低い時には3.5%という事もありますが、おおむね10%程度で推移しています。

日商簿記1級資格への求人と年収・時給の目安

日商簿記1級資格は、企業が求める資格の1つです。特に、難易度の高い会計の知識、簿記の知識を扱える人は、企業において重宝される人材となります。

 

今後は、会計のシステムが欧米型へと変更される可能性もあり、新しい会計システムについて勉強しようという意欲がありパソコンを扱うことができる人材や、英語で会計の知識が理解できる人材はさらに高年収が期待できるでしょう。

 

日商簿記検定1級を取得している場合、経験に応じて幅はありますが、年収400万円~900万円程度の求人が多くなります。

 

全国どこでも経理業務の求人はあるため、全国規模で就職に強い資格であり、シニアになっても生かせる資格であること、独立開業を目指したい人は税理士資格を取得する道、上場企業の会計に興味のある人は会計士を目指す道もあり、次ぎに繋がる資格であるところも魅力です。

ダブルライセンス・トリプルライセンスで時給・年収を上げる

経理や会計の分野でさらに上位の資格を狙う場合には、税理士公認会計士の資格を目指すことになります。

 

また、金融の世界で活躍したいと考える場合には、ファイナンシャルプランナー関連の資格や、証券アナリストといった資格を取得し、金融の世界で活躍することになります。

 

英語が得意な人の場合には、簿記の他に、Toeicなどの英語資格を取得して、金融や経済の翻訳業務を行う、外資系企業や英語の知識を必要としている企業で働く道もあります。

 

一度仕事から離れても、簿記の資格を取得している場合再就職がしやすい点もメリットです。経理の仕事で高年収を目指したい人は、簿記1級を検討してみるのも良いでしょう。