実際にかかった墓じまいと離檀の費用と段取り

離檀 費用 葬式介護/老後
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墓じまいと離檀の実際にかかった費用を公開

 

墓じまいが難しい理由の1つは前例が少ないこと

 

お墓の管理の難しさや、お墓に対する考え方が変わったこともあり、墓じまいを考える人は増えています。

 

ただ、お寺に支払う費用には、はっきりとした価格がないことで、かえって難しく、墓じまいをするに当たって何をしたら良いのか、実際に費用はどれくらいかかるのかが分からなくなっているのが現状です。

 

宗教を生業にしている人であれば人徳者ということはありません

 

お寺や神社を運営されている方の中には、とても信心深く、人助けの事だけを考えている人がいる一方で、お金儲けに走っている人がいるのも事実です。

 

地方にある小さなお寺が、地域の人に必要とされているからこそ、兼業としてどうにかお寺を維持している場合もあれば、立地が良く、経営に困っていないからと、お金のある人からは高額な寄付金を取り、離檀となれば離断料をふっかけるというお寺もあります。

 

お寺1つ1つによって、状況が異なりますが、それでは離檀をしたい方が困ってしまうのも現状です。

 

実際の体験に基づく離檀の流れと、必要経費を知ることで、一般的な流れと考え方が見えてきます。実際に行う際に比較してみて、余りにも法外な額を請求されている場合には行政書士や弁護士を通じて対処してもらう事も考えましょう。

 

離檀料金って何? いくらが相場?

 

お墓を撤去しようと考える方の多くが、今後の維持費や管理の問題からであることが多いと思われます。その場合、離檀をして、お寺との関係をすっかり断ち切ることになる訳ですが、離檀料というのは「今までお墓を守って下さりありがとうございます。これはお礼の気持ちです」という、感謝の気持ちとしてお渡しするものとなります。

 

ですので、これに支払いをさせる強制力はありません。なぜなら、墓石を撤去したり、供養をしたりという人が何かをするために働くことがないからです。

 

お寺に対し、本当に長年お世話になったと感じる人がいる一方で、お寺との関係があまり良いものではなく、お礼などしたくないという人もいると思います。

 

離檀料は「気持ち」ですので、そこに気持ちがあれば、それを金額としてお布施袋に入れて渡すようにすれば良く、「払わなくちゃ」と思う必要はありません。

 

後述の魂抜きという供養については、お坊さんが供養を唱えるという作業が発生しますので、料金がかかると考えられます

 

離檀料という名目で、例えば100万円を請求されるなどした場合には、まずは檀家総代(檀家をまとめている人)や、お寺の本山に連絡をし、お寺が檀家に対して無茶な請求をしているということを訴えましょう

 

それでも事がうまく進まない場合には、行政書士や司法書士、弁護士を交えた話し合いを行います

 

離檀料は0円~であり、上限はありませんが、それはあくまで払う側が決定することです。

これについては、平均費用もありません。なぜなら、「気持ち」だからです。

 

ただ、これを供養の費用と混乱されてしまう方もいらっしゃいますが、お墓を撤去する際に、今までお墓の下に眠っていた方に対して行う供養のための費用というのは、別でかかります。これを、離檀料の中に含めてお寺の方が話をしている場合には、「それは供養の費用でしょうか」と尋ね、供養の費用はいくらか、と別でお話を伺います。

 

ただ、この供養の費用と離檀料を含めていくら、と提示された場合に、それが法外な額でなければ(一般的には10万円程度)あえて、離檀料と、供養の料金を分けて考える必要はありません。

 

石の撤去などの実費以外で、「お寺に対して支払う金額は10万円を目安」と思っておきましょう。

離檀と、かかる費用や日程の交渉について

 

ここまでは、離檀について自分達で交渉を行う前提の話をしてきましたが、今は、石屋さんに交渉をお願いするという方法もあります。

 

お寺には、お墓に墓石を建てる石屋さんとの付き合いがあります。その地域の石屋さんが行っていることがほとんどだと思いますが、墓石の撤去に石屋さんが入ることになりますので、もし離檀交渉を代行している石材店があるのであれば、そちらで代行をお願いすると、交渉に慣れている事もあり、スムーズに話が進むこともあると思います。

 

もちろん、石材店がどこも全て良い石材店とは限りませんので、納得のいかない場合は、別の石材店に変更したり、自分自身で交渉することも大切です。

 

石材店が交渉を代わりに行った場合、お墓の下に埋まっている骨の数を確認したり、離檀の交渉を行うための費用を請求さる事にはなります。

 

こうした費用の他にも、交渉を代行してもらうことで、魂抜きの立ち会いの費用や、骨壺の撤去などの費用が発生します。

 

元々の、石の撤去費用については、その面積により費用が異なりますが、1㎡当たり10万円~15万円を見込んでおきましょう。

 

交渉を代行してもらった場合に実際にかかった費用の内訳はこちらです。

一例になりますが、今後の参考になると思いますので掲載致します。

 

 

墓石の解体と撤去費用25万円
骨の確認調査1.5万円
離檀の交渉費用2万円
魂抜きの立会費用1万円
お骨の取り上げ(骨の数で金額が変わるようです)5万円
改装のための書類の手続き1万円
合同葬への移転申し込み手続き1万円
骨を市が運営する合葬墓に埋葬する作業費用1万円

 

合計  345000(税別)

 

これはあくまで一例ですが、こうした実例が増えていくことで、墓じまいの費用が明確になり、平均ができていきます。人によっては、この金額は高いと感じるかも知れませんし、安いと感じるかも知れませんが、それぞれが考える墓じまいのために、この金額を参考にしていただければと思います。

 

ここまでは、石材店にかかった金額です。離檀料が0円で、石材店への価格が345000円となります。ここから、供養のために必要な費用と、墓の下に埋まっていたご先祖の方々が新たに移ることになる合同葬(市の運営)にかかる費用が追加されます。

お寺に払う永代供養(魂抜き)の費用

 

お寺で墓じまいを行うということは、お墓を撤去しますので、今まで下に埋まっていた骨がさらされる事になります。

 

かつては土葬の時代もありましたので、場合によっては身体ごと全ての骨がそのまま出てくる可能性もありますし、壺で埋められているとしても、骨壺を外に出すことになります。

 

そうなると、お寺の方でも供養をしようと考えるのは当然の事ですし、心理的にも、骨をさらして移動してお終い、というのは心苦しいものがあるのではないでしょうか。

 

そこで、魂抜きと呼ばれる供養が行われます。

 

この供養の際には、お寺の住職の方が供養を実際に行うことになりますので、立ち会う際にはご自身で、立ち会われずに石材店の方などにお願いする場合には費用を預ける形で、供養の費用を支払います。

 

こちらについては一般的には離檀料を含めて10万円程と言われています。ただ、支払える範囲がありますので、その辺りはお寺の住職の方とも相談の上、決めて下さい。実際には、この永代供養の費用が、離檀料金と合算になっていることが多いため、供養の費用と称して法外な金額を請求されることもあります

 

その際には、平均的な金額を提示したり、檀家総代、または本山と相談、それでも難しければ法律の専門家に頼むようにしましょう。

 

墓じまいについては、お寺とのやり取りとお墓の撤去が終われば終了ですが、魂抜きが終わり、お骨を回収して墓石を撤去すると、今まで埋められていたご先祖の骨を別の場所に移す必要が出て来ます

 

ここで注意したいのが、墓じまいの目的が、墓の移転ではなく、管理が難しいためにお墓自体の風習を止めたい場合には、「管理費のかからないお墓」を、次の選択として選ぶ必要があるということです。

 

お墓を移した後で、実は年間管理費がかかるところだったとなっては、また墓じまいを一からやり直す事になってしまいます。

 

お墓に入る時には手続きや作業が必要ですのでお金がかかりますが、その後は年間管理や費用を取られない場所を探しましょう。この場合、自治体が運営する合葬墓がこれに当たると思われます。

 

営利目的で運営しているお墓などは、年間管理料は必ずかかります。もし、お墓が遠いので、近くの建物内にあるお墓に移し、定期的に墓参りをしたいという場合には、こうした室内のお墓などを選ぶという選択肢もあります。

 

自治体の合葬墓については、ホームページを検索するなどして見つけることができます。場所によって管理費が必要な所もありますので、金額についてはあらかじめしっかりと調べるようにしましょう。

 

埋葬費用については、1体につきいくらかという費用形態になると思います。

 

合葬墓埋葬費用4体×25000=10万円

 

実際にかかった費用の見本です。

 

墓じまいと離檀にかかった全てのお金

 

離檀と墓じまいの費用全額石材店の費用・・・345000円

魂抜きの費用(お布施)・・・10万円

合葬墓埋葬費用・・・10万円

合計・・・・・・・・・・・・54万5千円

 

壺に入っていた骨が4体の場合で、墓じまいをして、合葬墓に移すまでの全ての費用は545000円(税抜き)でした。

 

石材店についてはこれに別途消費税がかかります

 

こうして見ると、実際の作業として何が必要で、何にお金がかかるのかが分かってきます。

 

「これまでの供養の分として」などと言って法外な金額を取ろうとするお寺があれば、これまではこれまでで管理料や寄付金、お布施を払っているはずですので、「それについては既に収めています」とはっきりと言いましょう。

 

一方で、小さなお寺で、少ない管理費の下で運営している方々もいます。この場合に、実際にかかる費用まで支払わないということになると、お寺さんが自分達の懐から管理料を出さなくてはならなくなり、お寺の存続の問題にもかかわってきます。

 

適切な価格を支払うことで、気持ち良く墓じまいを終えられると良いと思います。

 

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