赤ちゃんを希望する全ての女性が知っておきたい制度と法律
妊娠の前にしかできない予防接種が赤ちゃんを守る
妊娠を控えた女性が知っておきたいことの1つに、風疹と麻疹の予防接種があります。
子供がお腹にいる間に風疹にかかると聴力障害を起こす可能性があるのですが、最近では風疹のウイルスに感染するケースが増えてきています。
風疹の予防接種の効果は高いので、予防接種により病気を防ぐことができます。妊娠してしまうと受けられない予防接種ですので、妊娠を希望している方もそうでない方も、妊娠の可能性がある限りはあらかじめ受けておくと良いと思います。
妊娠を希望する女性と妊娠を希望する女性のパートナー、妊娠している方のパートナーのための予防接種の抗体検査が全国の自治体の多くで無償で実施されています。
抗体検査と予防接種を推奨している自治体がほとんどですので、無料で受けることができるうちにきちんと予防接種を済ませておきましょう。
抗体検査は自治体内のいくつもの病院で行われています。指定の病院で血液検査を行い、検査結果次第で予防接種をするかしないかを決定します。
小さな頃に十分な予防接種をしていた場合には、抗体が十分に身体に残っている事もありますが、抗体が残っていない、または全くない場合には風疹と麻疹混合の予防接種を受けることになります。
自治体のホームページに申請方法が書いてあることが多いですが、分からない場合には電話で問い合わせてみましょう。
また、子供ができるとたくさんの予防接種を受ける事になりますが、定期接種と任意接種の予防接種についての詳しい内容とワクチンの効果をこちらで確認できますので、予防接種に不安がある方はこちらも確認下さい。
妊娠を希望する人、妊娠した人への国の手当を活用しよう
国や自治体が用意している手当の中には、不妊治療にかかわる医療費の助成があります。赤ちゃんを希望しているけれどもなかなかできないといった場合には、自治体がどんな支援を用意しているかを確認してみましょう。
そうして赤ちゃんができたら、出産を控えた女性への手当として、健康保険や社会保険が色々と整備されていますのでそちらも確認しましょう。
名前が似ているものが多いので注意
子供を生むことで仕事に行けない期間が出て来ます。休業している間の生活費用の補償のお金です。ですので、仕事をしている方が対象です。パートやアルバイトに関係なく、健康保険に1年以上加入している方が対象です。勤務先の健康保険組合などに申請します。すでに退職している人でも対象の事があります。
子供を生むことそのものにかかる費用です。病院にかかるお金や出産の準備に使います。働いている方も、そうでない方も、妊娠している女性の全ての人が使えます。誰でも対象です。
予定外の高額な出費は控除対象になります。税金が安くなりお金が戻ってくる可能性もありますので、確定申告をしましょう。
出産費用の助成や、出産祝い金を出している自治体もあります。自治体の支援については別途よく確認してみましょう。
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、産休と育休期間は免除されます。事業主が手続きを行います。
これらの他にも、子育てを通じて受け取れる支援はたくさんあります。出産に伴い母子手帳を受け取りに行く際などに、さまざまな手当のパンフレットを受け取ることができると思います。一通り目を通し、受けられる支援は積極的に受けましょう。
項目 | 給付・控除内容 | 申請先 |
不妊治療 | 特定不妊治療にかかわる医療費助成 | 自治体 |
出産 | 出産費用の助成 | 自治体 |
出産 | 出産育児一時金 | 健康保険組合/自治体 |
出産 | 出産手当金 | 健康保険組合 |
出産 | 出産費用の医療控除 | 確定申告 |
出産 | 出産祝い金 | 自治体 |
産後すぐ | さんじょくきヘルパー | 自治体 |
子育て(赤ちゃん~) | 乳児・子供医療費助成 | 自治体 |
子育て(赤ちゃん) | 乳児養育手当 | 自治体 |
子育て(赤ちゃん) | チャイルドシート購入費助成 | 自治体 |
子育て(赤ちゃん) | おむつ講中助成券支給事業 | 自治体 |
子育て | 育児休業給付金 | 事業主が申請 |
子育て | 児童手当 | 自治体 |
子育て | 認可外保育施設利用者への補助金 | 自治体 |
子育て | こども医療費助成 | 自治体 |
子育て | 私立幼稚園就園奨励助成金 | 自治体 |
子育て | 児童育成手当 | 自治体 |
子育て | 児童扶養手当 | 自治体 |
子育て | 子育て世代臨時特別給付 | 自治体 |
子育て | 産休・育休中の社会保険料免除 | 事業主が申請 |
子育て | 養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置 | 事業主が申請 |
子育て(学生) | 受験生チャレンジ貸し付け事業 | 自治体 |
子育て(学生) | 私立高等学校等授業料軽減助成 | 自治体 |
子育て(学生) | 高等学校等就学支援金助成 | 自治体 |
子育て(学生) | 教育資金の一括贈与の非課税 | 贈与税(税務課) |
妊婦や子育て中の母親を守る法律を知っておこう
妊娠中の女性への不利益や配慮のない行為を防止するために、事業主に対して妊婦が請求できる権利が法により整備されています。
妊娠中の女性は以下のことを事業主に対して希望することができます
勤務中に、有給休暇とは別で検診を受けにいくこと
通勤が辛い場合には、時差出勤できるようにすること
身体に負担のない業務への変更を希望すること
医師の指示がある場合には、休憩時間を増やすように希望すること
残業や休日出勤の免除を申請すること
これらは法整備されている権利になりますので、事業主には希望した通りに業務体制を改善する義務があります。これらの事により、希望していないにもかかわらず業務内容に明らかな不平等が生じた場合や、給与の減額などが生じた場合には、事業主の方に問題がありますので、会社内の相談窓口に対応を求めましょう。
また、これらのことを事業主が拒否する場合には、都道府県労働局へ相談し、適切な対応を取るように促してもらうことができます。
これら以外にも、マタニティハラスメントなどで苦しんでいる場合には、早めに相談窓口や労働局に相談しましょう。